NY金は6月横ばい、銀価格は4.2％下落。米ドル高が重荷。投機筋は、弱気見通しを撤回する兆しがあるが、金・銀価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値①：20日移動平均線（現在2,327ドル）
上値②：2,340ドル
上値③：2,360ドル
上値④：2,380ドル
下値：2,300ドル
【銀価格のターゲット】
上値：30.00ドル
下値：28.66ドル
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金・銀6月パフォーマンス
NY金スポット価格（ドル建、XAU）の6月のパフォーマンスは横ばい、銀価格は4.2％下落した。FRB（米国連邦準備制度理事会）の利下げ観測が高まり、米国金利が低下したものの、米ドル高が進展したことが、金・銀価格の重荷となった。
金や銀の価格は米ドル建てで決定されていることから、ドルが上昇すると、金・銀を購入できる量が減少し、価格の下落圧力となる。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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投機筋、弱気から中立へ
金価格の動向に敏感な投機筋は、金に弱気のショートポジション（金先物の売り持ち）を削減した結果、ロングからショートポジションを差し引いたネットロングポジションが積み上がった。銀先物も同様に弱気のショートポジションの削減に伴い、ネットのロングポジションが積み上がった。
このことは、投機筋が金や銀に対する弱気見通しを撤回しつつあることを示唆している。ただし、強気のロングポジションを積み上げておらず、弱気見通しから強気見通しに転じたわけではない。
投機筋が見通しを強気に転じ、ロングポジションを積み上げることで、金・銀価格の上昇圧力となる可能性があることから、投機筋のポジション動向は、金・銀にとって中立～プラスである。
資料：CFTCよりDailyFXが作成。
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NY金価格の見通し
NY金価格（ドル建）は、20日移動平均線がレジスタンスとして機能している。一方、2,300ドルを一時下回ったものの、その後すぐに反発しており、2,300ドルがサポートとして意識されている。RSIは、金価格のモメンタムが中立であることを示す50前後で推移している。
投機筋のポジション動向はやや強気であるものの、テクニカル面で中立な中、金価格が上下双方に動く展開を想定したい。
金価格が下落した局面では、2,300ドルへの下落が視野に入る。一方、金価格が上昇した場合、20日移動平均線（現在2,327ドル）を上方ブレイクできるかに注目。終値ベースでブレイクに失敗すると、金価格の地合いが弱いことを投資家に印象付けよう。ブレイクに成功すると、金価格の次の上値として2,340ドル、2,360ドル、2,380ドルが候補に上がる。
【金価格のターゲット】
上値①：20日移動平均線（現在2,327ドル）
上値②：2,340ドル
上値③：2,360ドル
上値④：2,380ドル
下値：2,300ドル
NY金スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：TradingView
NY銀価格の見通し
NY銀価格（スポット、ドル建て）は、6月13日安値28.66ドルでサポートされ反転している。また、レジスタンスになる可能性があった29.00ドルも上方ブレイクに成功した。ストキャスティクスにて、銀価格に強気の「ゴールデンクロス」が示現している。
投機筋のポジションに加え、テクニカル面で強気シグナルが点灯する中、銀価格の上昇を見込む。
銀価格は、30.00ドルへの上昇が視野に入る。この水準をブレイクすると、5月後半以降の調整局面が終了した可能性が高まる。
ただし、MACDラインがシグナルラインを下回っており、下落圧力が残っていることを示唆している。銀価格が下落した場合、28.66ドルでサポートされるかに注目。再びサポートされた場合、銀価格の下値が堅いことを投資家に印象付けよう。
【銀価格のターゲット】
上値：30.00ドル
下値：28.66ドル
NY銀スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
