トルコでCPIが3日に公表。インフレ鈍化が予想されているが、トルコリラ相場に影響を与える可能性。トルコリラ円はレジスタンスとなっていた4.90円をブレイク。CPIを控えたUSD/TRY、TRY/JPYの今後の見通しとは。
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【USD/TRYのターゲット】
上値：32.87TRY
下値①：32.40～32.50TRY
下値②：32.20TRY
【TRY/JPYのターゲット】
上値：5.00円
下値：4.90円
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トルコCPI
トルコでは、3日16時に6月分のCPI（消費者物価指数）が公表される。事前予想では、総合の前年と比べた伸びは72.6％に鈍化（5月分は75％）する見込みである。トルコでは、政策金利が50％と高水準であるものの、CPIがより高い水準であることから、政策金利からCPIを差し引いた実質金利はマイナス20％超である。実質金利の動向は為替に大きな影響を持っている。
トルコ中銀は、インフレ警戒姿勢を維持している一方、一段の利上げには慎重なスタンスである。そのため、実質金利のマイナス幅縮小には、政策金利の引き上げは見込みづらく、CPIの鈍化が必要である。
CPIが予想に反して鈍化を示さなかった場合、マイナス20％を超える実質金利が長期間継続するとの見方を印象付けよう。一方、事前予想以上のインフレ鈍化を示した場合、実質金利のマイナス幅縮小に伴い、トルコリラ高が進展する可能性があり注目である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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米ドル/トルコリラ（USD/TRY）の見通し
USD/TRYは、サポートとして機能している32.4～32.5TRYに近付いている。この水準の下方ブレイクに成功すると、米ドル安トルコリラ高圧力が一段と高まる可能性がある。MACDラインがシグナルラインを下抜け、米ドルに弱気（トルコリラに強気）の「デッドクロス」が示現している。
テクニカル面でトルコリラに強気（米ドルに弱気）シグナルが点灯する中、USD安TRY高を見込む。USD/TRYは、32.4～32.5TRYを下方ブレイクすると、次の下値として、32.2TRYへの下落（米ドル安トルコリラ高）が視野に入る。
一方、USD/TRYが上昇（USD高TRY安）した局面では、6月17日高値32.87TRYがレジスタンスとして機能するかに注目。レジスタンスとなった場合、トルコリラの地合いが強まりつつあることを投資家に印象付けよう。
【USD/TRYのターゲット】
上値：32.87TRY
下値①：32.40～32.50TRY
下値②：32.20TRY
USD/TRY日足チャート
資料：TradingView
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トルコリラ/日本円（TRYJPY）の見通し
トルコリラ円は、レジスタンスとなっていた4.90円を上方ブレイクし、トルコリラ高円安圧力が一段と強まった可能性がある。MACDラインがシグナルラインを上回っており、トルコリラ高円安トレンドを示唆している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、米ドル対比でもTRY高を見込む中、トルコリラ円の上昇を見込む。トルコリラ円は、2023年来の５円台への上昇が視野に入る。
予想に反してトルコリラ安円高が進展した場合、4.90円がサポート転換しているかに注目。サポートとして機能した場合、トルコリラ高円安地合いが強いことを投資家に印象付けよう。
【TRY/JPYのターゲット】
上値：5.00円
下値：4.90円
TRYJPY日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
