トルコで金融政策決定会合が26日に開催される。エルカン中銀総裁が6月に就任して以降、利上げが継続して実施されている。インフレ抑制のためには一段の積極的な利上げが必要であるが、トルコの実質金利、そしてトルコリラの対円での今後の見通しとは
サマリー
- トルコ中銀会合が26日に開催
- トルコの実質金利
- トルコリラ円の当面の見通し
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トルコ中銀の会合迫る
トルコ中央銀行が26日に金融政策決定会合を開催する。トルコは高いインフレ率に苦しんでおり、インフレ抑制のために大幅な利上げを必要である。エルカン中銀総裁が6月に就任して以降利上げが継続して行われている(8.5%⇒30.0%、計21.5%)。しかしながら、前年と比べて61.5%の伸びであるインフレ率と比べると依然として低い政策金利の水準であり、インフレ抑制のために一段の利上げを必要としている。
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資料:Trading Economics
トルコでは、エルドアン大統領が低金利政策を好んでいることから、インフレ率と比べて極端に低い政策金利が維持されてきた。その結果、トルコ中銀の信用が低下し、通貨トルコリラは大幅に下落してきた。
エルカン総裁が就任して以降、インフレ抑制のための利上げ政策に舵を切っており、今後も一段と利上げが実施されるにつれ、トルコ中銀の信用が回復、通貨トルコリラの長期的な下落トレンドが終了する可能性がある。短期的にも長期的にもトルコリラ円の上昇のためには、トルコ中銀が積極的な利上げを実施できるかどうかにかかっている。
トルコリラ円
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資料:Trading View。2016年4月4日以降
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トルコ実質金利、大幅にマイナス
インフレ率と比べて政策金利の水準が低いことから、通貨と連動する傾向のあるトルコの実質金利(名目金利からインフレの影響を除いた金利)は、依然として大幅なマイナスである。トルコリラが安定的に上昇するためには、実質金利の観点からもインフレ率を上回る積極的な利上げが必要であるが、テクニカル面を踏まえたトルコリラ円の当面の見通しとは。詳しく見てみたい。
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資料:Trading EconomicsよりDaily FXが作成。実質金利は名目10年国債利回りからインフレ率(前年比)を引いて算出。
トルコリラ/円の当面の見通し
TRYJPYは、8月の金融政策決定会合にて市場予想を超える利上げが実施され(17.5%⇒25.0%)、一時5.50円を超えて上昇したものの、その後緩やかにトルコリラ安円高基調が続いている。10月に入り、9日指数移動平均線がレジスタンスとして機能し、トルコリラ円の上値が重くなっており、テクニカル面ではトルコリラ円に弱気シグナルが点灯している。
また、トルコは直接関係していないものの、地理的に近い中東情勢の緊迫化もトルコリラ円の上値を重くしているが、当面のトルコリラ円の動向は、26日に開催される金融政策決定会合が大きく左右しよう。
金融市場では5%の利上げ(30%⇒35%)が予想されているが、8月の金融政策決定会合時のような、予想を上回る大幅な利上げが実施された場合、心理的節目である5.50円への上昇が視野に入る。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、中東情勢も緊迫化する中、市場予想を下回る利上げ幅にとどまった場合、トルコ中銀が積極的な利上げを躊躇しているとの見方から、トルコリラ円が下落する可能性がある。その場合、8月の決定会合前の安値5.247円への下落を見込む。
TRYJPY日足チャート
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資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著