原油価格は6月に上昇、メキシコペソは大幅下落。主要産品である原油価格の上昇は、MXNをサポートしたものの、選挙の結果を受けた政治的不透明感がペソの重荷。投機筋ポジションは、原油に一段と強気、MXNのポジション調整が完了したことを示唆しているが、WTI原油、メキシコペソ（MXN/JPY）の今後の見通しとは。
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【原油価格のターゲット】
上値①：81.84ドル
上値②：84.00ドル
下値①：9日移動平均線（現在81.24ドル）
下値②：80.00ドル
【MXN/JPYのターゲット】
上値：8.886円
下値：8.634円
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原油6月上昇、メキシコペソ下落
WTI原油価格は、6月に5.9％上昇した。中東情勢やロシア・ウクライナ情勢の緊迫化に加え、米国のドライブシーズンに伴いガソリン需要が増加するとの思惑が、原油・ガソリン価格を押し上げた。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
メキシコペソは、6月に主要通貨の中でもっとも下落した。総選挙、大統領選挙の結果を受け、政治的不透明感が高まったことが、メキシコペソの下落圧力となった。メキシコペソは、対円で5.0％下落、主要通貨の中で唯一円に対して弱含んだ。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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投機筋、弱気から中立へ
原油価格の動向に敏感な投機筋は、原油に弱気のロングポジション（原油先物の買い持ち）積み上げている。また、選挙の結果を受け、投機筋は、MXN先物のロングポジションを大幅に削減していたが、再びロングポジションを積み上げており、ポジション調整が終了した可能性を示唆している。
原油、MXNともに、投機筋が強気のポジションを増やしている。投機筋が見通しを一段と強め、ロングポジションを積み上げることで、原油、ＭＸＮの上昇圧力となる可能性があることから、投機筋のポジション動向は、原油、ＭＸＮにとってプラスである。
資料：CFTCよりDailyFXが作成。
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格（1バレル）は、レジスタンスとなっているフィボナッチ61.8％水準81.84ドルをトライしている。ストキャスティクスは原油価格が買われ過ぎであることを示唆している一方、右肩上がりの9日移動平均線がサポートとして機能している。
投機筋の動向は明るい兆しが見られるものの、テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯する中、原油価格が上下に動く展開を想定したい。
WTI原油価格が上昇した局面では、レジスタンスとなっているフィボナッチ61.8％水準81.84ドルの上方ブレイクに成功すると、上昇圧力が強まり、84.00ドルが視野に入る。
一方、原油価格が下落し9日移動平均線でサポートされなかった場合、心理的節目である80.00ドルへの下落が視野に入る。
【原油価格のターゲット】
上値①：81.84ドル
上値②：84.00ドル
下値①：9日移動平均線（現在81.24ドル）
下値②：80.00ドル
WTI原油価格日足チャート
資料：TradingView
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MXN/JPYの見通し
MXN/JPYは、6月21日安値8.634円がサポートとして機能している。9日移動平均線が200日移動平均線を上抜け、メキシコペソに強気の「ゴールデンクロス」が示現している。一方、ストキャスティクスはメキシコペソ高の短期的な過熱感を示しており、RSIは50前後と明確なモメンタムを示していない。
投機筋のポジション調整が終了した可能性があるものの、テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯する中、MXN/JPYが上下双方に動く展開を想定したい。
MXN/JPYが上昇（ペソ高円安）した場合、5月後半からのペソ安円高の半値戻しの水準である8.886円への上昇が視野に入る。この水準のブレイクに成功すると、メキシコペソ高圧力が一段と高まる展開を見込む。
一方、MXN/JPYが下落（ペソ安円高）した場合、8.634円で引き続きサポートされるかに注目。サポートされた場合、メキシコペソの地合いが強まりつつあることを投資家に印象付けよう。
【MXN/JPYのターゲット】
上値：8.886円
下値：8.634円
MXN/JPY日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
