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外国為替の歴史とFX取引環境の変遷についてわかりやすく解説

外国為替の歴史とFX取引環境の変遷についてわかりやすく解説

DailyFX, Research
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

※2024年5月24日更新

外国為替の歴史を学ぶことは、FX取引に関する自信につながります。歴史は繰り返すものなので、取引の際の戦略構築や判断に必ず役立ちます。FXを取りまく環境の変遷を知ることで、FX取引の未来に、無限の可能性を感じるはずです。

外国為替(FX)取引とは

外国為替取引とは、ある国の通貨と別の国の通貨を交換する取引のことです。現代ではFX取引とも呼ばれ、さまざまな国の通貨を選んで行うことのできる外国為替取引ですが、その歴史は古く、紀元前19~16世紀のバビロニア時代にまでさかのぼると考えられています。当時、交易が盛んであったメソポタミア地域では、地域固有の産物などが貨幣として使用され交換媒体となっていましたが、地域をまたがるような遠距離で交易を行う商人たちが保有する別の貨幣も生まれ、使用されていたとされます。

交換(売買取引)が頻繁に行われることで市場が形作られますが、長い年月の間には外国為替(FX)市場が生まれました。FX市場というと物理的にどこかに存在している市場のように思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。各国の金融機関や仲介業者を通じて、世界中あちこちでFX取引は行われています。週末や祝日を除く平日には24時間取引が可能なため、FX市場は眠らないマーケットと言われています。このようにいつでも取引が行えることに加え、流動性も高いことから、FX市場はアクセスしやすい市場になっており、今日では多くの人々がそこでさまざまな国の通貨を取引しています。

FX市場が現在の形態になるまでには、金本位制やブレトンウッズ体制といった制度の採用など、貨幣経済の発展と金融システムに大きな影響を与える出来事を経てきました。この記事では、そうした出来事がどのようにFX市場を形成してきたのか、FX取引環境の変遷についての説明を軸に、FX取引への理解を深めていただける内容になっています。

FX取引を行うにあたって、FX市場を形成してきた出来事やその経緯を知ることは決して無駄ではありません。歴史は繰り返されるものなので、一見、異なる形であっても同じような出来事が今後も起こる可能性があります。似たような現象を伴って再び同じようなことが発生したとき、過去についての知識があるかないかによって、取引する上での判断が変わってくるはずです。過去の出来事を知っておけば、それに似た状況に直面したとき、取るべき行動がわかるということです。

外国為替(FX)の歴史:すべての始まり

お金が存在しなかった時代には、人々は欲しいものを手に入れるために物々交換という手段を使っていました。この物々交換は、紀元前6000年頃にメソポタミア地域周辺の部族が始めたとされています。このように当初は物を他の物と交換していましたが、この物々交換では、自分が持っている物を相手が欲しがらない場合には相手の持っている物を交換してもらえないという問題があります。そのため、やがて物々交換は発展し、塩や香辛料、布、貝など、ある一定の価値を保つ物品を交換媒体、今でいう貨幣として使う物品交換という方法が普及していきました。この物品交換をするために、船で遠方の地域へ出かけた商人たちがこの物品貨幣を使って行った取引が、外国為替取引の始まりとされています。その後、紀元前7世紀には金、銀、銅などが貨幣として使われ始めました。

世界最古の金属貨幣は紀元前7世紀に現在のトルコ西部にあったリディアという王国で鋳造されたと言われ、これは「リディア金貨」、別名「エレクトロン貨」と言われています。金貨と言っても金だけではなく銀も混ざっており、エレクトロンとはこの金と銀の混ざった鉱物に由来した名前です。

金属貨幣は、携帯性、耐久性、価値の安定性や均一性があり、供給が限定的で交換媒体として便利な特性を備えていたために広く受け入れられるようになりましたが、実用性の点からは重くて持ち運びには不便でした。そのため、やがて紙でできた軽い貨幣、すなわち紙幣が登場します。

その後、時を経て1800年代には英国を皮切りに世界各国で金本位制という制度が採用されるようになりました。金本位制とは金を価値基準としたもので、各国の中央銀行が発行した紙幣と国が保有する金を相互に交換することを保証する制度でした。日本では1871年(明治4年)に金本位制を初めて導入し、1897年(明治30年)には本格的に採用しました。

第一次世界大戦が勃発するまで金本位制は機能していましたが、欧州諸国は戦費を賄うために紙幣の増刷を余儀なくされ、この制度は停止されることになります。

FX市場は、1900年代初頭のこの時期まで金本位制に支えられていました。各国は受け取った紙幣を金に換えることができたために、互いに貿易を行いました。しかし、この世界大戦の最中に金本位制を維持することはどの国も不可能でした。大戦後には再び英国をはじめとする国々で金本位制が復活したものの、1929年の世界恐慌を経て各国は金本位制を離脱し、この制度は崩れ去りました。

FX市場を形成してきた歴史的出来事

歴史を振り返れば、貨幣経済に関わる世界規模の大きな出来事がFX取引の環境に影響をもたらし、現在のFX市場を形作ってきました。その中でも歴史的に重要とされる出来事を、いくつか紹介します。

タイムライン  自動的に生成された説明

ブレトンウッズ協定とブレトンウッズ体制 1944年~1971年

ブレトンウッズ体制は、FX市場にとって最初の大きな変革といえます。この体制は第二次世界大戦末期の1944年7月、米国を中心として、英国、フランスなど連合国44カ国によって新たな世界経済を秩序立てるために制定されました。このときの連合国国際通貨金融会議が米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで開催されたため、ブレトンウッズ協定と呼ばれる協定が結ばれ、そこで決められた体制も通称、ブレトンウッズ体制とされています。なお、このブレトンウッズ協定に基づいて、1945年には国債通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(IBRD、通称「世界銀行」)が制定されています。

この国際会議の場所に米国が選ばれた理由は、当時、世界中の国々が戦争で疲弊して壊滅状態にある中、米国だけが唯一、無傷の国であったためです。事実的に、第二次世界大戦によって、米ドルは1929年の株価大暴落で破綻寸前の国の通貨という地位から、多くの国際通貨が比較基準とする基軸通貨へと昇格しました。

ブレトンウッズ協定は、大戦後の混乱した世界経済を回復させるため、安定した経済環境の確保を図り、国際取引や通貨交換における安定を目指して締結されました。そして、この実現に向け、調整可能な固定相場制のFX市場が創設されます。固定相場制とは、ある通貨の為替レートを他の通貨に対して固定する制度のことです。この時、各国は自国通貨の為替レートを米ドルに連動させることになり、ドル/円は1ドル=360円で固定されました。また、米国は当時、世界で最も多くの金を保有していたため、米ドルは金に固定されていました。こうして各国は米ドルで取引をするようになり、ドルが世界の基軸通貨になったのも、こうした理由によるものです。

しかし、最終的にブレトンウッズ体制は金と米ドルの固定に失敗しました。政府の貸付と支出の増加によって米ドルの流通量が増え、その流通量を裏付けるだけの金が不足するようになったからです。このような経済状況の変化や国際政治の影響を受け、リチャード・M・ニクソン大統領は1971年にドルの金への兌換を停止すると発表し、ブレトンウッズ体制を廃止しました。この大統領による突然の政策転換発表はニクソン・ショックと呼ばれ、世界経済に大きな驚きと影響を与えました。その後の米ドルは、外国通貨に対して自由に変動する変動相場制へと移行していきます。

変動相場制の始まり

ブレトンウッズ協定廃止後の1971年12月にスミソニアン協定が締結されました。この協定に基づくスミソニアン体制もブレトンウッズ体制に似たもので、固定相場制は維持されましたが、通貨の変動幅が拡大されました。スミソニアン体制の下で、米国はドルを金1オンスあたり38ドルに固定し、ドルの切り下げを行い(当時のドル/円は1ドル=308円)、他国通貨の対米ドル為替レートの変動幅を2.25%までとしました。

その頃の欧州では、ヨーロッパ共同体(EC)が米ドル依存からの脱却を試みます。1972年、西ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグによって、「EC共同フロート制」が設立されましたが、どちらの制度もブレトンウッズ制度と同じく失敗に終わり、1973年には崩壊しました。その結果、正式に変動相場制に切り替わることになります。

プラザ合意

1980年代初頭、米ドルは他の主要通貨に対して大幅にドル高が進んでいました。米国では当時、厳しい金融引き締めが行われており、それに伴う金利の上昇に魅力を感じた世界中の資金がドルに集まったのです。このため、米国の輸出企業は厳しい状況に陥り、貿易赤字が拡大しました。米国の経常収支の赤字はほぼ常態化して対GDP比3.5%に達し、財政収支の赤字と共に「双子の赤字」と呼ばれて問題視されるようになりました。

この金融引き締めは、スタグフレーションに対処するため、当時のFRB(連邦準備制度理事会)議長であったポール・ボルカー議長が初めに行いました。政策金利を引き上げてインフレ率を低下させようというこの政策と、後に続くレーガノミクス(ロナルド・レーガン大統領による経済政策)はインフレ抑制とドル高を誘発しましたが、その代償として世界市場における米国産業の競争力を低下させていきました。

債務を抱えていた第三世界諸国は米ドルの重圧に喘ぐことになり、米国の工場は他国の競争相手に対抗できず閉鎖されていきました。そこで1985年、世界最大の経済大国である米国、英国、フランス、西ドイツ、日本で構成されたG5(主要先進国グループ)の蔵相・財務長官・中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルにて秘密裏に会合を開くことになりました。会合と言っても、事前に実務者間で協議が行われており、会合自体は20分程度で合意に至った形式的なものであったとされています。この合意は会場となったホテル名にちなみ「プラザ合意」と呼ばれ、その影響でドルは急落し、その後もドル安がしばらく続きました。

このプラザ合意はドル高是正が主な目的でしたが、その後のドル安によって1987年には先進5カ国にイタリアとカナダが加わった7カ国(G7)による過度なドル安進行阻止を目的とした合意が行われ(ルーブル合意)、プラザ合意前には1ドル=240円前後であったドル/円は1987年末には1ドル=約120円まで下落しました。このときのドル安是正策は、日本のバブル生成と崩壊に深く関わりました。

ドル/円については、日米貿易摩擦問題やいくつかの協議を経て、概ね1ドル=100円から160円前後で推移しましたが、1995年に急落して一時は1ドル=80円を割り込みました。その後はまた以前の水準で推移したものの、再び2011年に80円を割り込み、現在では1ドル=約150円となっています(2024年3月時点)。

こうした新しいFXの世界において、トレーダーが利益の可能性に気づくまでには、そう時間はかかりませんでした。たとえ政府が介入したとしてもFX相場の変動の度合いはまだ十分に大きく、この変動があることから利益が得られるのです。ブレトンウッズ体制の崩壊から10年余りで、このことが明らかになりました。

ユーロの誕生

第二次世界大戦後、欧州では国々の結束をより深めるために多くの条約が締結されました。中でも1992年にオランダのマーストリヒトで開かれた会議で結ばれたマーストリヒト条約(正式名称は欧州連合条約)は、多くの実を結んだ条約と言えるでしょう。この条約によって欧州連合(EU)が創立され、外交・安全保障に関する取り組みを含む全体的な枠組みができ、単一通貨ユーロの誕生につながりました。この条約は何度も改正されてきましたが、グローバル化が進む経済の中で事業を行う欧州の金融機関や企業は、ユーロの創設によって為替リスクを回避できるというメリットを得ています。

FXのオンライントレード

1990年代に入ると人々のお金に対する見方や使い方が変わってきたこともあり、FX市場はかつてないほど急速に、より高度に発達しました。それまではFX取引のための正確な為替レートを知るには、電話を駆使して取引業者を介し、情報を手に入れるしかありませんでした。それが今では、どこにいても自分のスマホ画面をタップすれば即座にレートを知ることができます。このような通信技術の進歩は、東西冷戦によるそれまでの分断が、資本主義とグローバリゼーションによって崩壊した時代に起こりました。この時代は旧ソビエト連邦崩壊と、旧東西ドイツを隔てていたベルリンの壁崩壊が象徴的な出来事となった時代です。

FX取引の環境も一変しました。旧ソ連のように全体主義的政治体制の中で政府の統制下におかれ、外貨との取引が制限されていた国の通貨も取引されるようになりました。また、東南アジアなどの新興市場が活況を呈し、資金が流入して為替投機が盛んに行われるようになりました。

1944年以降のFX市場の歴史は、自由市場が作用した典型的な例を示しているといえます。自由市場においては競争原理が働くため、他と比べて突出した流動性を持つ市場が生まれました。また、オンライン取引業者間の競争が激化したことで、取引のスプレッドは劇的に狭くなりました。多額の取引を行う個人は、国際的に事業を展開する企業や金融機関が使用するのと同じ電子通信ネットワークを利用することが可能になっています。

FX取引の現状と今後の展望

今日、FX市場は世界最大の市場であり、世界中で1日に7兆ドルを超える取引が行われています。また、その取引額は拡大基調にありますが、FXの未来は不確実性に覆われ、常に変化しています。しかし、だからこそFXトレーダーにとっては無限のチャンスが存在しているのです。

まとめ

進化するFX市場で取引を成功させるには、常に時代の先端を行く情報をキャッチして、学び続ける姿勢が大切です。デイリーFXではFXに関するニュースや分析などの最新情報を網羅しているので、定期的にチェックして取引にお役立てください。また、各通貨のレートを確認できるリアルタイムチャートもご覧いただけます。FX取引初心者の方は、無料でご提供している初心者のためのFX取引ガイドをぜひダウンロードして基礎の学習にご活用ください。

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