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FXトレードにおける適切なリスク管理の基礎をプロが解説【動画付き】

FXトレードにおける適切なリスク管理の基礎をプロが解説【動画付き】

DailyFXJapan, Research

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  • 「FXの取引でのリスクを減らしたい」
  • 「どの程度リスクを取るのが適切なのかな?」
  • 「FXにはどのようなリスクがあるのだろう?」

このような疑問やお悩みはないでしょうか? FXの世界では損失は避けられず、スキルレベルや経験に関係なく、どのトレーダーも取引で負けに直面することがあります。

取引を成功させる鍵は、損失を完全に避けるのではなく、損失を効果的に管理し、限定することです。リスクを適切に管理することで、より安全で最大限コントロールされた、ストレスのない取引ができます。

本記事では、FXのリスク管理方法、それを実際の取引で活用するための最も効果的な方法などをご紹介します。

FXの取引におけるリスク管理とは?

FXのリスク管理と一口に言っても、取引における損失を抑えるための方法は多数存在します。リスクが高い取引は、一般的にハイリスクハイリターンと呼ばれ、大きな利益を得る可能性がある一方で、大きな損失を被るリスクも高まります。

したがって、利益の可能性を最大化しながら損失を最小限に抑えるようなリスク管理を行うスキルは、全てのトレーダーにとって重要なことなのです。

それでは、リスク管理はどのように行うのでしょうか? 具体的には、適切なポジションサイズの設定、損切り(ストップロス)価格の設定、ポジションのエントリーあるいはエグジットする際の感情のコントロールなどが挙げられます。

そして、これらをうまく管理できるかどうかが、利益を生む取引と損失を被る取引の分岐点となるのです。

FXではリスク管理がなぜ重要?

未来を確実に予測することは誰にもできないため、リスク管理が必要になります。つまり、投資戦略や市場分析がうまくいかなかったときに損失を軽減し、うまくいくときまで資金を残せるようにするということです。

手元にある情報は、その多くが過去の出来事に基づくもので、時折、予定されている経済イベントや統計データの発表などから、可能性が高い未来のシナリオを描けることもあります。しかし、過去のデータや値動きに依存して未来を読み解こうとしても、同じことがいつも同じように起こるとは限りません。

マーケットをとりまく要因は常に変化し続けており、完璧な予測というものが存在しない以上、トレーダーには常にリスク管理が必要になるのです。

大きな損失は挽回が難しい

自分の信念が「正しかった」と証明するためだけに損失を膨らませ続けると、そうでない場合よりもずっと早く資金を消耗してしまいます。例えば、10万円の資金で取引を始めて20%の損失が出た場合、当初の10万円にまで資金を挽回するには25%の利益を出さなければなりません。これを達成できたとしても、取引の成績としては損益分岐点をぎりぎり維持しただけです。

ロスカットされたくないという理由だけで損失を膨らませている場合、脱出するのがますます厳しい破滅へと引きずり込まれていると言えます。下の表は、損失を出した後に当初の残高まで資金を挽回するために必要なリターン率を示したものです。

損失「挽回」するために必要なリターン率
10%11.11%
20%25%
30%42.85%
40%66.66%
50%100%
60%150%
70%233%
80%400%
90%900%
100%不可能

作成者:ジェームズ・スタンリー

いったん50%の損失を出すと、当初の残高にまで資金を挽回するだけで100%のリターン率を叩き出さなければなりません。80%や90%といったさらに大きい損失の場合には400%や900%といったリターン率を実現する必要があり、事態は相当深刻になってしまいます。

安定した収益を求めるトレードスタイルでは、このような高いリターン率は非現実的ともいえるものであり、資金が壊滅してしまうような80%や90%といった損失はそもそも避けたいところです。そして当然ですが、実際のところ多くのトレーダーは、相場が好転するという「希望」を実現させるために、短期売買のはずが長期的にポジションを保有してしまっています。

こうした行動が不可能ではないにせよ、挽回が極めて困難な大きな損失を生む原因となっていることから、リスク管理で資金を守ることが大切になるのです。

FXのリスク管理の基本6要素

何よりも認識すべきなのは、全ての投資戦略がうまく行くわけではないということ。失敗する可能性があるのであれば、以下のようなリスク管理は必須です。

  1. リスク許容度を把握する
  2. ポジションサイズを決める
  3. 損切り(ストップロス)ポイントを決める
  4. リスクリワード比率は最低でも1対1にする
  5. レバレッジのかけ方に注意する
  6. 感情をコントロールする

取引を実行する前に、リスク管理の基本について理解しておきましょう。

1. リスク許容度を把握する

自分自身のリスク許容度を把握することは、適切なリスク管理において大切です。まずは「1回の取引で、失っても自分の生活に大きな影響がない金額はいくらなのか」ということを考えてみましょう。

これは特に、新興国通貨のようなボラティリティが高い通貨ペアを取引する場合に重要になります。流動性の低い通貨ペアでは、希望するレートでのポジションのエントリーやエグジットが難しくなる場合があるため、取引の流動性もリスク管理に影響を与えるのです。

自分がいくらの損失までなら許容できるのかを把握していないと、ポジションサイズが大きくなり過ぎてしまいます。そうなると、その後の取引に影響を与えてしまう、もしくはその後の取引ができなくなるような大きな損失を被りかねません。

例えば、これまで取引の50%で利益が出ているとしましょう。しかし長期的に見ると、この後、損失が出る取引が何度も連続して発生することは十分に考えられます。

1万回の取引実績があっても、13回連続で損失が出るような事態に直面するようなことが、統計学的にはあり得るのです。こうした不測の事態を想定しつつ、口座の資金が底をついてしまい、取引が継続できなくなるような状況を避けるためにも、自分のリスク許容度を把握しておくことが求められます。

取引で負うべき具体的なリスクの水準は?

FXの取引では、具体的にどの程度のリスクを負うべきでしょうか? 私たちの経験則からいうと、1回の取引で負うべきリスクは、口座残高の1~3%までとされています。例えば、口座の残高が10万円の場合、1,000~3,000円がリスクを負ってもよい金額となります。

注意しなくてはならないのは、FXの入門書や講座では、取引ごとに許容できるリスク金額として、口座残高の1〜5%など具体的な数字を示している場合がある点です。しかし、実際に損失を被ったとしても許容できる金額というのは、資産の大きさや生活レベル、取引経験など個々のトレーダーの状況によるところが大きいのです。

自分の資産全体を把握して、余裕資金で取引するのがFXの鉄則。大事な資金を失うことがないように、長期的な視野とリスク管理のもとに取引することをお勧めします。

2. ポジションサイズ(ロットサイズ)を決める

ポジションサイズとは、取引をする際のロット数のこと。FXの取引で口座の残高を確保しながら利益の最大化を追求するためには、証拠金やリスク許容度、相場などの状況に応じ、適切なポジションサイズを決定できるスキルが非常に大切です。

ポジションサイズを適切に決定することで、口座残高の大部分を失うようなリスクを軽減することができます。ポジションサイズを決定する際は、自分がどの程度のリスクを許容できるかを考えましょう。

最適なポジションサイズを具体的に導き出すためには、取引したいロット数と、それが1pipsでいくらになるのかを確認し、逆指値注文のレートとリスクを取る比率を決定する必要があります。

ポジションサイズ(ロットサイズ)の具体的な計算方法

ポジションサイズを計算するには、初心者の場合には最初に1回の取引で取るリスクの量を決めましょう。リスクが高過ぎると、負けた場合に取引を継続できなくなる可能性があるからです。

例えば、1回の取引での損失が資金の2%以内に収まるようにする場合、このルールに基づいたロット数を求める計算式は以下のようになります。

「資金 × 2% ÷ 損切りまでの値幅」

例えば、資金総額10万円、損切りまでの値幅を1円とした場合、10万円×2%÷1円=2,000通貨となり、1ロット=1,000通貨の場合は最大2ロットまで取引可能です。最初に決めたリスクの量をしっかりと守りながら、ポジションサイズを計算するようにしてください。

3. 損切り(ストップロス)ポイントを決める

特定のレートに達したら取引を終了させる、いわゆる損切りも、FXの取引においてリスク管理を行うために理解しておくべき重要なポイントです。損切りは取引においてマーケットが自分のポジションに対して不利に動いた場合、あらかじめ決めたレートで取引を決済して損失を限定するためのもの。失う可能性のある金額以上の損失が出ないように強制的に取引を決済するのです。

ダイアグラム  自動的に生成された説明

損切りは損失を確定させるものであるため、特にFX初心者はネガティブに考える傾向があります。しかし、取引を続けるうえで損切りは資金管理の面で非常に重要。損切りをしない取引は、高速道路でヘルメットをせずにバイクで走行するのと同じで、すごく危険なのです。

損切りを行うことで、勝つ見込みのない取引を終了させて損失が増えるのを防ぎ、次の取引に素早く取り掛かることが可能になります。勝ち続けることが難しいFXにおいては、リスクを最小限に抑えて目先の小さな損失を必要経費と考え、長期的な視点に立った資金管理を行う必要があります。

では、レートがいくらになったら損切りすべきなのでしょうか? 答えを簡単に言うと、自分が想定していた元のトレードプランが破綻してしまうようなレートになったときです。この詳細については、以下の記事をご覧ください。

【参考】FXにおけるストップロスとは?設定方法もわかりやすく解説!

4. リスクリワード比率は最低でも1対1にする

お勧めしたいのは、逆指値注文と指値注文を活用して、リスクリワード(損益)比率を1:1以上にすること。この比率が1:1の場合、被る可能性がある損失が1万円であれば、得られる可能性がある利益も1万円になります。

グラフ, 折れ線グラフ  自動的に生成された説明

FXでは取引ごとに、逆指値注文と指値注文を設定するのが基本になりますが、その際は少なくとも逆指値注文と同じくらい、現在のレートから幅を持たせた水準で指値注文を設定するようにしましょう。

下の表は、リスクリワード比率の違いによって、取引戦略がどのように変化するのかを示したものです。

リスクリワード1-11-2
取引総数1010
利益が出た取引の件数(40%)44
目標リターン100 pips200 pips
損切り(ストップロス)100 pips100 pips
利益(Pips)400 pips800 pips
損失(Pips)600 pips400 pips
合計損益(-200 pips)200 pips

上の表からも分かるように、1万円の損失の可能性に対して求める利益が1万円(リスクリワード比率1:1)の投資戦略の場合、200 pipsの損失が出ます。一方で、リスクリワード比率を1:2に調整すると、最終的に損益がプラスになる可能性を高められます。これは取引の40%しか利益が出ない場合を想定しており、リスクリワード比率の高さがいかに重要であるかを物語っています。

リスクリワード比率(リスク管理)の具体的な計算と設定の例

下図はユーロ/ドルの4時間足チャートですが、過去に相場が下げ止まった領域2か所の下にはそれぞれ赤線が引かれています。仮に現在の価格が1.1415だとすると、これに近い方の1.1375で引かれた赤線を損切りポイントに設定した場合、損切り幅は40ピップス、赤線の遠い方の1.1310で設定すると損切り幅は105ピップスとなります。

image3.png

チャート作成:ジェームズ・スタンリー

もしここで、当日の高値である1.1490を取引のターゲットにした場合、利益確定幅は75ピップスとなります。そのため、損切りポイントは、上の赤線より低い位置で設定できますが、下の赤線では設定できません。

つまり、損切り幅が40ピップスになる上の赤線を損切ポイントとした場合、リスクリワード比率は1対1.875(75/40=1.875)となりますが、下の赤線を損切ポイントとした場合、リスクリワード比率は1対0.714 (75/105=0.714)となり、あまり魅力的とはいえません。したがって、下の赤線を損切ポイントにしたいのなら、それに見合うリワードが得られるよう、1.1490よりも高いターゲットを狙う必要が出てきます。

5. レバレッジのかけ方に注意する

「レバレッジ」とはテコの原理を意味する言葉で、小さな力でより大きなものを動かすことです。FXの取引におけるレバレッジとは、自分の口座にある資金以上の金額で取引できる仕組みを指します。

image4.png

小さな資金であっても大きな取引が可能になるので、効率良い取引が期待できる反面、それによって背負うリスクも高くなります。FXの取引で失敗する人のほとんどは、このレバレッジ取引で大きな損失を出したことが原因。そのため、レバレッジ取引は慎重に行うべきです。

日本では個人口座の場合、金融庁によって最大レバレッジが25倍と定められています。つまり、証拠金が10万円であれば250万円までの取引が可能であり、思惑通りに相場が動けば獲得できる利益も25倍になるということです。

レバレッジを高くすればするほど、状況が有利にも不利にもより速く動くため、活用する際は細心の注意が必要になります。

レバレッジによる利益の変化

ここでは、手持ち資金1万円と想定し、レバレッジ25倍で取引した場合、どのくらい利益に差が出るのかを計算してみましょう。

米ドル/円が1ドル=100円のとき

【レバレッジ1倍で購入可能なドル】10,000円 ÷ 100円 = 100ドル

【1ドル=105円になったときの円貨額】100ドル × 105円 = 10,500円

【利益】500円

【レバレッジ25倍で購入可能なドル】10,000円 × 25倍 ÷ 100円 = 2500ドル

【1ドル=105円になったときの円貨額】2,500ドル × 105円 = 262,500円

【利益】262,500円 − 250,000円 = 12,500円

このように、レバレッジ25倍の取引になると、米ドル/円が5円動いただけで、利益の額が大きく変わってきます。

少額でハイリターンを期待できるのがレバレッジの魅力。しかし、その一方で、レバレッジを高くした状態で予想が外れると、可能性としてはわずかですが、ロスカットが間に合わずに大損失となって追証の支払い義務が発生することがあります。

レバレッジに関する調査結果では低レバレッジが有利に

DailyFXのシニアストラテジストであるジェレミー・ワグナーが、投資金額の規模に基づいてFXの取引傾向を調査したところ、口座残高が少ないトレーダーは、残高が多いトレーダーよりも、はるかに高いレバレッジをかけた取引を行なっていることが判明しました。

一方で、低いレバレッジの取引では、20倍を超えるような大きなレバレッジをかけた少額の残高のトレーダーによる取引よりも、はるかに良い投資結果が出ていました。そして、大口トレーダー(平均レバレッジは5倍)は、小口トレーダー(平均レバレッジは26倍)よりも、80%以上高い確率で利益を上げていたのです。

こうした調査結果からも分かるように、特に初心者トレーダーはレバレッジのかけ方に十分に注意し、そのリスクを考慮した方が良いでしょう。

6. 感情をコントロールする

どのようなマーケットにおいても、資金を投資する(リスクにさらす)場合、取引に対する感情をコントロールすることが重要になります。トレーダーが感情に振り回されることで、取引での判断に影響が及ぶと、必要以上のリスクにさらされてしまうことになるからです。

こうした取引に不要な感情を排除し、客観的で冷静な取引を行うためには、トレード日記や取引記録をつけることが有効です。そうすることで、感情ではなく、過去のデータに基づく取引戦略の軌道修正や改良ができます。

FXのトレーダーは、取引で感情をどのようにコントロールすれば良いのでしょうか? もちろん、私たちは人間なので、感情を完全に捨て去るのは難しいことです。

したがって、感情がトレードに及ぼす影響を理解したうえで、感情が入り込まないよう、ここまで述べてきたような「リスク許容度の把握」、「ポジションサイズの決定」、「損切り」、「適切なレバレッジ」などにおいて適正なルールを決めて、リスクを管理することが重要になります。

取引を行なっている以上、想定外の損失が発生することは避けられません。しかし、取引のルールを守ることは、自分でコントロールできる領域です。細かな損益よりも、自分で決めたルールを守ることに全力を注ぎましょう。そして、ときには取引から離れてリラックスすることも重要です。

取引で負けが込んだときには、相場を忘れてリラックスするようにしましょう。

FXのリスク管理のケーススタディ

DailyFXのアナリストであるニック・コーリーが、米ドル/円の取引を例に、健全なFXのリスク管理の事例を紹介します。

例えば、ドル/円のレートが100円のときに、リスクリワード比率1:3で、1pipあたり500円となるサイズの買いポジションを取ったとしましょう。リスクを取る金額は、一般的に適正と言われる資金の1~3%以内である口座残高の3%とします。リスクリワード比率を考えると、1万円のリスクに対して3万円の利益が得られる可能性のある魅力的な取引だと言えます。

また、大きな損失を防ぐために、ストップロス注文は20 pipsの幅を持たせて設定しました。しかし、スリッページが起こった場合には損失が大きくなり過ぎる可能性があり、少し不安です。そこで、レバレッジは当初想定していた10倍ではなく5倍にしました。

これらの取引内容を全てトレード日記に記録することで、感情の介入を最小限に抑えることができ、最も効果的な方法でリスクを管理することができます。

【参考】FXのトレード日記のつけ方を解説、自分の強みと弱みを知る方法

FXにおけるリスク7選

FXにはさまざまなリスクがありますが、代表的なのは以下の7種類です。

  1. 為替変動リスク
  2. レバレッジリスク
  3. ロスカットリスク
  4. 金利変動リスク
  5. 信用リスク
  6. 流動性リスク
  7. システムリスク

適切なリスク管理を行うために、どのようなリスクがあるのかを知っておきましょう。

為替変動リスク

為替相場の変動により損失が生じるリスクのこと。つまり、通貨ペアの値動きによるリスクのことです。

FXの取引では、最初にこの為替変動リスクに注意することになります。FXは為替相場の変動によって利益を得られる一方、損失を被るリスクがあります。

そのため、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析、損切りの逆指値注文の設定などにより、為替変動リスクを軽減することが重要です。

レバレッジリスク

レバレッジによって損失が拡大するリスクのこと。国内のFX業者では、最大で25までレバレッジをかけることが可能です。

例えば、米ドル/円が1ドル=100円のとき、資金100万円に対して25倍のレバレッジをかけると2,500万円分のポジションを保有することができます。この場合、相場が自分の想定した方向と1円逆行すると、25万円の損失になります。レバレッジ1倍の場合では1万円の損失で済むため、その差は非常に大きいです。

レバレッジには利益を大きくできるというメリットがありますが、損失も大きくなるというデメリットは肝に銘じておかなければなりません。FXの取引に慣れるまでは、低レバレッジでの取引をお勧めします。

【参考】FXのレバレッジとはなにか?意味や計算方法、リスク管理について解説

ロスカットリスク

FX業者による強制決済が行われることによって損失が確定してしまうリスクのこと。つまり、トレーダーの意思に関係なく損失が確定します。

ロスカットは、損失(証拠金維持率)が一定水準に達した際に損失の拡大を防ぐという、トレーダー保護の役割を担う仕組みです。ただし、ロスカットが執行されると証拠金の大半を失うことになります。

したがって、ロスカット水準を常に意識しながら、証拠金の残高やレバレッジの倍率をコントロールする必要があるのです。

金利変動リスク

金利の変動によって損失が発生するリスクのこと。FXでは為替差益だけでなくスワップポイントによっても利益を得られますが、スワップポイントはマイナスに変わることがあります。

スワップポイントとは、2か国間の金利差によって発生する損益のこと。トルコリラのような金利の高い通貨を買い、日本円のような金利の低い通貨を売る取引を行うことで、毎日スワップポイントを利益として受け取ることができます。しかし、金利は変動するため、現在のスワップポイントがずっと続くことはなく、スワップポイントを支払うことになる可能性もあるのです。

金利は短期間で急激に変動することは少ないのですが、特に長期的な変化には目を光らせておく必要があります。

【参考】FXのスワップポイントとは?計算方法や注意点をやさしく解説!

信用リスク

取引をしているFX業者や信託銀行などが破綻してしまうリスクのこと。FX業者は顧客から預かった証拠金を信託銀行などで信託保全しているため、預け先の信託銀行も信用リスクに関係します。

信託保全とは、FX業者の資産と顧客から預かった証拠金を分けて管理するために、信託銀行などと信託契約を締結し、顧客から預かった証拠金をその信託口座で管理すること。この仕組みによって、FX業者が倒産しても顧客の資産は守られることになります。

ただし、信託銀行が破綻した場合は証拠金の一部または全額が失われる可能性があります。また、FX業者が取引している銀行や証券会社の信用状況などが悪化した場合、通常通りの取引ができずに不利な状況が発生することもあり得ます。

そのため、信用リスクを避けるためには信頼性の高いFX業者を選択するのがポイントです。

流動性リスク

マーケットでの売買が困難または不可能になってしまうリスクのこと。つまり、取引自体をすることが非常に難しい状況になってしまうということです。

金融における流動性とは、取引のしやすさを指します。FXは基本的に流動性が高いことから売買が成立しやすい金融商品ですが、重要な経済指標やイベントの前後、主要国の祝祭日には、流動性の低下などによって売買が成立しにくくなることがあります。

image5.png

特に、メキシコペソやトルコリラ、南アフリカランドなどの新興国通貨は、米ドルやユーロ、円などの主要通貨と比べて流動性が低いことから注意が必要です。流動性リスクが懸念される場合、レバレッジを下げるなどしてリスクを軽減するようにしましょう。

システムリスク

FXにおけるシステムリスクには、トレーダーが原因のものとFX業者が原因のものがあります。どちらも取引に大きな支障が出る場合があり、しっかりとした対策が必要です。

まず、トレーダーが原因のシステムリスクには、注文ミスや機器の故障、通信障害などが挙げられます。注文ミスは発注をする際に再確認をすることで、比較的簡単に対策することができます。

機器の故障や通信障害については、取引で使うPCやスマートフォン、そしてネット環境の状態を日頃からチェックしておくと良いでしょう。

一方、FX業者が原因のシステムリスクには、システム障害や個人情報漏洩などがあります。システム障害や個人情報漏洩をトレーダー側で防ぐことは困難であるため、信頼のできるFX業者で取引するようにしてください。

まとめ

FXの取引にはリスクが伴いますが、効果的なリスク管理を行うことで損失を抑えて、より安全な取引をすることができます。

リスク管理の鍵となるのは、マーケットの変動やレバレッジの影響など、さまざまなリスクを理解し、それらを軽減する対策を実施すること。具体的には、リスク許容度の把握や損切りの設定、1対1以上のリスクリワード、レバレッジの慎重な使用などがあります。

さらに、為替変動リスクやレバレッジリスク、金利変動リスク、流動性リスクといった、FXにおけるリスク自体を意識することも重要です。

効果的なリスク管理でリスクを軽減し、取引の安定性アップと成功に役立ててください。

FXのリスク管理に関するよくある質問

この項目では、FXのリスク管理に関する知っておきたいことや注意しておきたいことをまとめてご紹介していきます。

  1. FXとはどのような金融商品ですか?
  2. 資金管理だけで勝つ方法はありますか?
  3. 資金管理はアプリでもできますか?
  4. リスクリワードを考えても意味がないのではないですか?
  5. FXはリスクリワードだけで勝てますか?
  6. FXをリスクヘッジで活用することはできますか?
  7. 損失許容額の計算方法は?
  8. FXの資金管理では、損失許容額を5%にするべきですか?
  9. FXの資金管理で10%の損失許容額は大き過ぎますか?
  10. FXはハイリスクハイリターンですか?
  11. FXは元本割れしませんか?
  12. FXで元本割れをした場合は借金になりますか?
  13. 「FXはやめとけ」と言われる理由は何ですか?

1. FXとはどのような金融商品ですか?

FXとは「Foreign Exchange」の略であり、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれている投資です。基本的に、通貨を買ったり売ったりしたときに発生する差額によって利益を狙います。

2. 資金管理だけで勝つ方法はありますか?

FXでは「資金管理が最重要」と言われることもあるほど重要な概念ですが、利益を出すためにはファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を使った手法を学ぶことも大切です。

3. 資金管理はアプリでもできますか?

ポジションサイズを計算してくれるなどの便利なアプリもあることから、資金管理で使ってみても良いでしょう。

4. リスクリワードを考えても意味がないのではないですか?

リスクリワードはFXで非常に重要です。リスクリワードが高い場合には、勝率が低くてもトータルで利益を出せることがあります。

5. FXはリスクリワードだけで勝てますか?

リスクリワードはあくまでもFXで勝つための1つの考え方であり、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析、資金管理なども学ぶようにしましょう。

6. FXをリスクヘッジで活用することはできますか?

FXは為替変動リスクの回避または軽減、いわゆる「為替ヘッジ」によく使われます。FX自体で為替差益やスワップポイントを得るだけでなく、外国株や外貨建債券などの取引にも活用されるのです。

例えば、Apple社の株価が今後上昇すると予想される場合でも、為替が円高基調であると株価が上昇しても為替で損をする可能性があります。しかし、同社の株を買うとともに米ドル/円を売ることで、為替変動リスクを回避または軽減できるのです。

7. 損失許容額の計算方法は?

FXにおける損失許容額は、1回の取引で口座残高の1~3%までが望ましいとされています。例えば、口座の残高が10万円の場合、1,000~3,000円が損失許容額です。

8. FXの資金管理では、損失許容額を5%にするべきですか?

FXの資金管理については、さまざまな意見があり、なかには損失許容額を5%としていることもあります。

ただし、一般的には1回の取引で口座残高の1~3%までが望ましいとされることが多いです。

9. FXの資金管理で10%の損失許容額は大き過ぎますか?

FXの損失許容額は、一般的に1~3%が望ましいと言われています。

10. FXはハイリスクハイリターンですか?

FXは一般的にハイリスクハイリターンな金融商品だと言われています。なぜなら、レバレッジをかけることによって少ない資金で大きな利益を狙える一方で、取引の仕方によっては大きな損失が発生してしまう可能性もあるからです。

FXでリスクを抑えるには、特にレバレッジを低めにすることを心がけましょう。

11. FXは元本割れしませんか?

FXには預金のような元本保証はなく、元本割れが起こるリスクがあります。

12. FXで元本割れをした場合は借金になりますか?

元本割れをしても借金にはなりませんが、元金以上の損失が発生した場合には借金のリスクがあります(追証)。ただし、通常はFX業者がロスカットを行なって強制的に損失を確定させるため、元金以上の損失が発生するケースは非常に少ないです。

また、銀行や消費者金融に借金をしてFXをすると、返しても返しても借金が減らないという、いわゆる「借金地獄」に陥る可能性があることから、取引は必ず余裕資金で行いましょう。

「13. FXはやめとけ」と言われる理由は何ですか?

「FXはやめとけ」と言われる理由の多くが、FXがギャンブルだと思われていることによります。しかし、FXはギャンブルではなく投資であり、レバレッジを低くすることなどでリスクを低く抑えることもできます。

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