メイン コンテンツへスキップ
無料トレードガイド
購読する
Please try again
Select

ライブウェビナーイベント

0

経済指標カレンダー・イベント

0

通知を受け取る

ライブウェビナーイベント
経済指標カレンダー・イベント

もっと見る もっと見る
米大統領選と金価格に関係はある?金価格の歴史と価格推移

米大統領選と金価格に関係はある?金価格の歴史と価格推移

共有する:

広告

米国の大統領選挙は、歴史的に見ても金融マーケットに影響を与える傾向があり、指導者の交代は財政政策の転換をもたらす可能性が高い。金価格については、1971年にリチャード・ニクソン大統領がブレトン・ウッズ体制を終わらせるための措置を講じて以来、マクロ経済環境の変化への反応が高まっている。

しかし、米国大統領選挙の歴史的な影響をみると、金価格と所属政党にもとづく結果との間の直接的な関係性はほぼないと言える。クリントン政権では金価格は苦戦していたが、2011年のオバマ政権において、金価格は過去最高値で取引されている。共和党の候補者についても同様に、レーガン政権時に金価格は低迷したものの、ジョージ・W・ブッシュ政権では2期連続で上昇した。

候補者の所属政党にもとづいてマーケットの反応を特定しようとすることは、特に季節性や景気循環などのファンダメンタルズ要因を考慮する場合、方向性が微妙に異なるかもしれない。なぜなら、金融マーケットでは多くの大統領の在任中にバブルと暴落が発生したため、異なる政権によって対照的な分析が可能だからである。

ただし、21世紀に入り金価格が大きく変動した特殊な現状を考慮すると、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済的ショックがマクロ経済の見通しを不透明にしていることから、2020年の選挙においても金価格の変動が継続するかは不明である。

出所:ブルームバーグ

1980年以降における選挙期間前後1年間の金価格のパフォーマンスを分析することで、何らかのヒントを得られる可能性がある。この調査では、金価格(赤線)は期間中の最初に上昇し、後半にピークを迎えて11月に下落傾向があることを示している。

1980年〜ロナルド・レーガン (共和党)

出所:ブルームバーグ

1980年、ポール・ボルカーFRB議長の下でインフレ抑制のために金利を20%に押し上げようとしていた1月に金価格は850ドルの高値を付けたが、年初からの上昇期間は短く、3月に1980年の安値(482ドル)を記録した。11月4日の選挙前に600ドルを超える水準まで回復したが、その後、1981年まで590ドル前後で推移した。

1984年〜ロナルド・レーガン (共和党)

出所:ブルームバーグ

1984年、ポール・ボルカーFRB議長が2期目に指名され、基準金利を10%以上に押し上げたことで、金価格は3月に一時400ドルを超えた。金価格はその後数ヶ月にわたり徐々に下落し、11月6日の選挙では現職のロナルド・レーガン氏が2期目の当選を果たしたものの、金価格を支える要因にはならなかった。1984年の選挙後、金価格は下落し続け、12月には年初来安値(308ドル)を記録した。

1988年〜ジョージ・ブッシュ (共和党)

出所:ブルームバーグ

1988年、金価格は1月に年初来高値(482ドル)を記録したが、1987年にレーガン大統領が指名したアラン・グリーンスパン氏を中心とする米国中央銀行が11月8日の選挙を前に、実効フェデラル・ファンド金利を引き上げたため、9月に400ドルを割り込んだ。ジョージ・ブッシュ氏の勝利は金価格にほとんど影響を与えず、1988年の残りの期間において金価格は410ドル前後で取引された。

1992 – ビル・クリントン (民主党)

出所:ブルームバーグ

1992年、金価格は3月まで350ドル以上を維持し、1990年代初頭の景気後退後、FOMC(連邦公開市場委員会)が金融緩和サイクルを維持したにもかかわらず、金価格は上半期を通して弱含みで推移した。

アラン・グリーンスパンFRB議長は1991年にブッシュ氏によって再任された後、11月3日の選挙を前に米国金利の引き下げを継続したが、ビル・クリントン氏が大統領に選出された後も金価格は圧力がかかり、選挙後わずか数日で金価格は年初来安値(332ドル)を記録した。その後、金価格は狭いレンジで取引され、1992年は335ドル前後で終えた。

1996年〜ビル・クリントン (民主党)

出所:ブルームバーグ

1996年、FOMCが米国の金利を据え置いたことで、第1四半期に金価格は400ドルを突破した。また、ビル・クリントン大統領によってアラン・グリーンスパンFRB議長が3期目に再任した。

ただし、ビル・クリントン氏が再選を果たしたにもかかわらず、金価格は年内を通じて400ドル以下で推移し、11月5日の選挙後はすぐに反発をみせたが、1996年の終値は368ドル前後だった。

2000年〜ジョージ・W・ブッシュ (共和党)

出所:ブルームバーグ

2000年、FOMCは1999年からの利上げサイクルを継続したが、金価格は年初に回復し、2月には300ドルを超えた。

しかし、FOMCが5月に最後の利上げを実施したにもかかわらず、金価格は次の四半期に下落し、11月7日の選挙から数日後には、年初来安値(264ドル)を記録した。また、ビル・クリントン氏に再任されて4期目を務めたアラン・グリーンスパンFRB議長が米国の金利を据え置いたことで、金価格は2000年末に約272ドルまで上昇した。

2004年〜ジョージ・W・ブッシュ (共和党)

出所:ブルームバーグ

2004年、金価格はFRBが米国金利を1.00%に抑えたため、第1四半期に426ドルまで上昇した。しかし、ジョージ・W・ブッシュに再任されて前例のない5期目を務めたアラン・グリーンスパンFRB議長が2004年後半に利上げを開始したことで、11月2日の大統領選挙を前に何度も400ドルを下回った。ジョージ・W・ブッシュ大統領が再選した後、金価格は上昇し、12月には年初来高値(456ドル)を記録した。

2008年〜バラク・オバマ (民主党)

出所:ブルームバーグ

2008年11月4日

2008年、サブプライム住宅ローン危機に対応してFOMCが金利を引き下げたことで、金価格は3月に一時1,000ドルを超えたが、11月4日の大統領選挙を前にバーナンキFRB議長が10月に2回の利下げを実施したにもかかわらず、721ドルまで下落した。金価格はバラク・オバマ氏が当選した数日後に、年初来安値(712ドル)を記録し、その後は回復して2008年の終値は882ドル前後まで持ち直した。

2012年〜バラク・オバマ (民主党)

出所:ブルームバーグ

2012年11月6日

2012年、金価格は1,600ドルをわずかに上回る水準で年初から上昇し、2月には1,781ドルまで上昇した。しかし、FOMCが米国の金利をゼロに近づけたにもかかわらず、5月に年初来安値(1,540ドル)を記録した。11月6日の選挙を前に金価格は1,700ドル台まで回復したが、バラク・オバマ大統領が再選を果たしたにもかかわらず反発は終わり、1,675ドル前後でその年を終えた。

2016年〜ドナルド・トランプ (共和党)

出所:ブルームバーグ

2016年11月8日

2015年末、ジャネット・イエレンFRB議長率いるFOMCが米国の金利を引き上げたことで、金価格は2016年の年初に1,100ドルを下回る水準で取引が開始されたが、フェデラル・ファンド金利を0.25%から0.50%に維持したことで、7月には1,366ドルまで上昇した。しかし、11月4日の選挙を前に金価格は1,300ドルを割り込み、ドナルド・トランプ氏による勝利は金価格を支えるには至らず、1,148ドル付近でその年を終えた。

2020年〜

ブレトン・ウッズ体制の崩壊以降、さまざまなファンダメンタルズ要因が金価格の変動に起因する可能性があるが、米国大統領のタイムラインをみると、金価格がマクロ経済環境に反応しているにもかかわらず、金価格と所属政党との間に直接的な関係性はほとんど見当たらない。

ただし、金価格は21世紀に入り、より不安定になったことを示しており、金価格が過去最高値を更新する中、この傾向が2020年の選挙以降も継続するかは不明である。

--- 通貨ストラテジスト デビッド・ソング著

DailyFX はグローバルなFXマーケットに影響を与えるトレンドのテクニカル分析とニュースを提供します。

広告