メイン コンテンツへスキップ
無料トレードガイド
購読する
Please try again
Select

ライブウェビナーイベント

0

経済指標カレンダー・イベント

0

通知を受け取る

ライブウェビナーイベント
経済指標カレンダー・イベント

もっと見る もっと見る
弱気相場とは?意味や強気相場との違い、見極め方、取引戦略を解説

弱気相場とは?意味や強気相場との違い、見極め方、取引戦略を解説

ニック・コーリー, シニアストラテジスト
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

共有する:

広告
このページの内容

弱気相場とは、一定の期間にわたって株価指数などの高値が20%以上下落した相場のことです。弱気相場では価格が頻繁に下落し、より速く動くことが特徴です。

弱気相場で売り取引を先に行うことは、上昇相場で買い取引を行うのと実際には同じことですが、「持っていないものを売る」という心理的なハードルに悩まされる場合があります。この心理を理解して克服しない限り、利益を得る取引ができない可能性が低くなるでしょう。本記事では、弱気相場の意味や期間、見極め方、取引戦略について解説します。

弱気相場とは

弱気相場とは、2ヶ月以上にわたって高値から20%程度下落した相場のことで、ベアマーケットとも呼ばれます。一般的な市場の下落とは異なり、市場全体の価格が継続的に下がる状態を指します。また、市場に影響を与えたイベントによって、短期的に相場が下落した場合も弱気相場と呼びます。

弱気相場は、2ヶ月未満の間に10%程度下落する相場と定義されている調整局面とよく比較されます。ネガティブなセンチメントが根強く続く弱気相場の底より、調整局面の底はテクニカル分析などを使った特定が容易かもしれません。

強気相場との違い

一方で、強気相場とは、市場の価格が前回の安値から20%以上上昇した相場を指します。投資家たちが積極的に株や他の資産を買い増し、売却する投資家が少ない状態です。強気相場はブルマーケットとも呼ばれます。

強気相場の特徴としては、以下の3つが挙げられます。

  • 投資家たちが、相場に対して楽観的な見方をしている場合に発生しやすい
  • 多くの投資家が市場に参入して取引を行うため、通常よりも取引量が増える
  • 強気相場は一時的なものではなく、一定期間(通常は数ヶ月から数年)にわたって続く傾向がある

弱気相場の特徴

弱気相場の特徴は、投資家の信頼度が低く、さらなる下落が懸念されることです。相場が下落するにつれ、売り圧力が増して急落を引き起こし、買い手は市場から退きます。売りが一巡し、信頼度が戻り、買い手が再び現れるまで価格は下降し続けます。

また、弱気相場はチャートを見た場合にわかりやすい急激な下落が特徴です。大きな赤いローソク足は、売り手によって相場が大きく下降し、重要なサポートラインより下に置かれたストップロス*の価格をすり抜け、長期にわたって下落が維持されていることを示しています。このような相場に買い手が手を出すことはなく、価格はさらに下落する状態が続きます。

*ストップロス(損切り):損失が大きくなることを避けるため、自動的に取引を決済するよう設定した価格

以下のチャートは、ビットコイン原油の弱気相場を示しています。

ビットコイン(BTC)の弱気相場 2017~2018年:7ヶ月間で69%下落

bitcoin bear market candlestick chart

原油の弱気相場 2018年:36日間で25%下落

crude oil bear market candlestick chart

弱気相場の発生要因とその影響

ここでは、弱気相場の発生要因とそれによって生じる影響について解説します。

弱気相場を引き起こす主な要素

弱気相場を引き起こす主な要素には、経済状況の変化、政策の影響、企業の業績低下、市場心理の悪化などがあります。

まず、経済状況の変化とは、景気後退や失業率上昇、インフレーションが高まるなど、マクロ経済の不安定さを指します。これらは投資家の見通しを悲観的にし、売り注文が増える傾向につながります。次に、政策の影響についてです。金利引き上げや規制政策の強化などは、企業活動にネガティブな影響を及ぼし、株価の下落を招きます。また、企業の業績下方修正や不祥事など、企業からのネガティブなニュースは投資家を不安にさせ、弱気相場の引き金となります。最後に、市場心理の悪化です。投資家が将来に対する不確実性を感じ、慎重になることで株価が下がる現象を指します。

弱気相場が投資家に与える影響

弱気相場が投資家に及ぼす影響は、大きく分けて2つです。1つ目は、資産価値の減少です。弱気相場では株価が下落するため、保有している株の価値が減少します。2つ目は、機会費用の増加です。売却をためらいながら、さらなる価格の下落を見守るうちに、他の投資機会を逃してしまう可能性があります。

FX取引の売り/買いポジションにおける関係性とは

トレーダーは多くの通貨を見て、その中でどの通貨が最も強く、どれが最も弱いのかを判断しなければなりません。例えば、米ドルが最も強く、日本円が最も弱いと判断するなら、トレーダーは米ドル/円の買い取引を行うでしょう。その場合、このトレーダーは事実上、米ドルの買いポジションと日本円の売りポジションという2つのポジションを同時に持っていることになります。つまり、FXの通貨ペアを取引しているトレーダーは、すでに空売りをしていることになります。

以下のチャートは、米ドル/円の買い取引を行った例を示しています。

グラフ  自動的に生成された説明

弱気相場を利用して利益を得た世界のトップトレーダー

金融市場の歴史には、経験豊富な弱気派トレーダーが弱気相場で売り取引を行って、非常に大きなリターンを得た例がいくつもあります。

ポール・チューダー・ジョーンズ氏は1987年10月の米国株式市場暴落の直前に空売りして、1億米ドル以上稼いだと言われています。その暴落の直後にバンカーズ・トラストのトレーダー、アンディ・クリーガー氏はニュージーランドドルの空売りで、約3億米ドルを得たそうです。ジョージ・ソロスは1992年に英ポンドを空売りして、10億米ドルを得たことで有名です。ジョン・ポールソンは2007年に米国のサブプライムローン市場で空売りを仕掛けて、40億ドルを個人的に稼いだと言われています。

また、2000年後半にはジム・チャノス氏がエンロン株の空売りで5億米ドルを手にしたと言われるように、弱気相場をうまく利用したトレーダーが存在します。

関連記事:世界のバブル経済の歴史をプロが解説!アメリカや日本のバブル崩壊の影響とは?

携帯電話を持っている人の手  中程度の精度で自動的に生成された説明

弱気相場でのトレード心理とは

弱気相場でのトレードは、トレーダーにとっては難しいと感じるかもしれません。弱気相場における投資家心理の特徴としては、「恐怖心」と「損切りの遅れ」が挙げられます。まず、所有資産の下落が始まると、投資家たちは将来のさらなる価格下落を恐れます。投資家の間に広がるこの恐怖心が、相場をさらに弱気に傾ける要因となります。次に、「損切りの遅れ」です。価格が下がると、投資家は自分の投資が損失に転じることを恐れ、売却をためらいます。しかし、それが結果としてさらなる損失を招くことになります。

ただし、買い取引、または売り取引のポジションを保有することには、同じだけの潜在的なリスクがあります。市場でトレードする際の心理的な原動力、または恐れ、希望、強欲、失望などの感情は、売り取引であろうと買い取引であろうと主な心理は同じです。トレードを成功させるには、明確で偏りがなく、感情に左右されることのない的確な判断が必要です。

多くの投資家はこれまでに金融市場で投資を行った経験があり、買い取引に慣れているかもしれません。そのため、投資家たちはポジションをより長い時間軸で見ています。また、保有するポジションが損失を生むようになった場合、他の金融商品を所有することで、この損失を補おうとすることも検討します。

一方、買いと売り両方のポジションからトレードを行う場合、通常より短い時間軸での取引になります。そして、自分のポジションに対して感情的な距離を保たなければなりません。

個人トレーダーはトレードと投資の違いをしっかりと理解し、市場で取引を始める前に、自分が行いたいのはどちらなのかを決めておくべきです。

弱気相場での取引に自信を持つ方法

これまで売り取引から始めたことのないトレーダーにとって、株や通貨、商品の価格が下落しようとするタイミングでのトレードは、「非論理的」と感じるかもしれません。

弱気相場は、言い換えると価値が破壊されている状況です。一方で、買い取引から始める場合とは、資産の上昇しようとしている価値に賭けることです。言い換えると、価値を創造している状況です。

ただし、投資家としての自信を失うかもしれませんが、どちらも取引のうえでは重要ではありません。成功するトレーダーは、自分が資産を売買するポイントから利益を出そうとして合理的な意思決定を行います。資産を先に売って後から買い戻すか、または逆の順番なのか、それらは問題ではありません。売買した2つの価格間の利益に関心が向けられるだけです。

また、トレーダーは自身の行動の目的が値動きに影響を与えることではないと理解する必要があります。あくまでも値動きから利益を得ようとしているだけです。無意識かどうかにかかわらず、空売りするトレーダーもショートスクイーズや、価格が急上昇する相場に巻き込まれる恐れを抱くこともあるでしょう。しかし、自制心を保っていればそれらを心配する必要はありません。

屋内, コンピュータ, テーブル, 座る が含まれている画像  自動的に生成された説明

弱気相場の見極め方:ヒントとシグナルを見つけよう

同じトレードで、強気相場と弱気相場の両方の局面になる可能性はあります。実際、FX市場ではその状況がよく発生します。ただし、弱気相場が近づいているタイミングや終わりを見極めることは難しいと言われています。なぜなら、相場が強気/中立の局面から弱気に転じることが早いためです。

ここでは、弱気相場の見極め方を紹介します。

指標とツールを利用する

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を利用することで、反転のシグナルやサインを見つけられます。テクニカル分析では、「移動平均線」や「MACD」などのチャートパターンや指数が有効です。移動平均線が上昇に転じるのは、弱気相場の終了を示す1つのサインです。

一方、ファンダメンタル分析では、企業の業績や経済指標に注目します。例えば、企業の利益が上昇傾向にある、または経済状況が好転している場合、弱気相場から強気相場に変わる可能性があります。

市場の心理と行動パターンを予測する

ニュースや経済指標、政策変更などに注目し、市場の心理と投資家の行動パターンを予測することも有効な手段です。市場の心理は、投資家たちが将来に対して不安を抱き始めるとき、弱気に傾きます。その兆候として考えられるのが、投資家たちの売買行動です。

株価の上昇に伴う売りの増加や、成績のよい企業の株でも売買が活発にならない、市場参加者の行動が冷静さを失いつつあるなどの状況を見つけたら要注意です。

参考記事とヒント

弱気相場での取引については、以下の記事をご覧ください。

また、弱気相場で空売りするためのルールとヒントをまとめると以下のとおりです。

  • ファンダメンタルズ分析は、強気派トレーダーにも弱気派トレーダーにも同じものである。相場が強気になるか弱気になるか、そのように判断する明確な理由を持つ必要がある。
  • テクニカル分析は相場が上昇しても下降しても変わらない。
  • 取引の設定、ストップロス(損切り注文)、マージン(維持証拠金)、自制心、レバレッジなども強気派にも弱気派にも同じものである。これらを理解したうえで、正しく一貫性を持って使用することが大切。
  • 利益が出ていれば最大化させるために決済を急がず、損失が出ていれば損切りするために早めに決済する。

弱気相場での取引戦略

最後に、弱気相場での取引戦略を紹介します。

弱気相場でのリスク管理

弱気相場時には、リスク管理が重要です。市場が下落トレンドにある場合、無理にトレードすることなく投資リスクを最小化する策を講じるべきです。

まずは、ポートフォリオを再評価しましょう。価格下落により、リスクバランスが崩れている可能性があります。具体的には、資産の配分を見直し、リスク資産(株式など)の比率を減らし、安定資産(債券など)の比率を増やすことなどが考えられます。また、ストップロス注文を活用することも有効です。一定の損失限度を設定し、そのラインを超えた場合に自動的に売買が行われ損失を最小化する仕組みです。さらには、分散投資を行うことでリスクを分散させ、市場全体の動きに左右されにくくすることも重要です。

弱気相場時の買い時

弱気相場が発生した際には、一部の投資家はパニックになりますが、実は投資のチャンスともなり得ます。なぜなら、株価が一時的に下落することで、元々高価だった優良株を割安な価格で購入することが可能になるからです。

弱気相場時の買い時のポイントは以下のとおりです。

  • 値下がりした優良株の選定
  • 市場全体の株価が安定した時点での購入
  • 株価が反発するタイミングを見極める

弱気相場時は市場全体が安定するまで待ち、安定したと見られる時点で購入することが重要です。また、反発のタイミングを見極めるのも大切なポイントと言えます。これらを踏まえたうえで、適切な投資戦略を立てられれば、弱気相場を乗り越えられるでしょう。

弱気相場は空売りのチャンス

弱気相場の際には、価格が下落することが予想されます。「空売り」という投資戦略を活用する絶好のチャンスとも言えます。通常、投資とは「安い時に購入し、高い時に売却」しますが、空売りではその逆です。先に株を借りて売却し、値下がりした後で買い戻すことで利益を得ます。

弱気相場で空売りの対象となる資産クラスには、以下のものが挙げられます。

  • 株式:規制された取引所で取引される世界中の企業の上場銘柄
  • 指数(インデックス):米国500種株価指数(S&P500)、米国テク株100種指数(Nasdaq100)、英国FTSE100種総合株価指数(FTSE100)、ドイツ30種株価指数(Dax30)など
  • 商品(コモディティ):金、銀、銅、ブレント原油や米国産原油など
  • 仮想通貨(暗号資産):ビットコイン、イーサリウム、リップル、ライトコインなど

ただし、空売りはリスクも高いため、経験と知識に自信がある場合におすすめする方法です。また、市場状況を正確に読む力も欠かせません。この戦略を用いることで弱気相場でも利益を上げることが可能となります。

長期投資を検討する

長期投資とは、価格が低くなった銘柄を購入し、価格が回復するのを待つ投資法です。弱気相場で価格が下がった資産は、将来的には回復する可能性があります。そのため、弱気相場による価格の低下を「買い時」と捉え、長期保有を目指すことで利益を期待できます。ただし、この戦略は市場が回復することを前提としているため、適切なリスク管理が必要です。

一時的な感情に左右されない

弱気相場に突入した際、多くの投資家は恐怖心から手持ちの資産を売ってしまう傾向があります。しかし、短期的な市場の動きに反応してしまうと、チャンスを逃してしまうことにもつながるでしょう。感情をおさえて冷静に市場を観察し、長期的な視点で投資することが大切です。

弱気相場でのポイント

弱気相場で買い取引をしようとするトレーダーは、相場の「トレンド」を見極めるためにファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を使い、どのポイントで買い、どこで売るかを計画するはずです。

例えば、買い取引を実行しようとしていれば「上昇トレンド」を探すでしょう。そして、上昇する価格から利益を得るために、ローソク足のチャートで「より高い安値(ハイヤーロー)」となるポイントで買います。一方で、売り取引を実行しようとしているトレーダーは「下降トレンド」を探し、売りのポイントと買い戻すポイントを計画するはずです。この場合、下落する価格から利益を得るために「より低い高値(ロウアーハイ)」で売ろうとします。

以下のチャートでは、上昇トレンドと下降トレンドの「より高い安値(HL)」と「より低い高値(LH)」を示しているので参考にしてください。

グラフ  自動的に生成された説明

トレンドの方向に沿った取引戦略について、詳しくはこちらをご覧ください:より高い安値(ハイヤーロー)で買い、より低い高値(ロウアーハイ)で売る

弱気相場でのトレードは自信を持つことが大切

本記事では、弱気相場の定義や特徴、発生要因とその影響、投資戦略について解説しました。弱気相場でも強気相場においても、トレード自体の考え方は同様です。トレードは2つの異なる価格水準の間で利益を得ようとすることであり、買い取引または空売りから始めるかの順番は問題ではありません。ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらも、弱気相場・強気相場によって本質的な結果が異なるわけでもないでしょう。また、弱気相場で心理的に変化があっても、状況はほとんど変化しないと理解することが大切です。

ただし、トレード初心者にとっては金融市場でまだ自分が所有していないものを売ってそれを買い戻す「空売り」が、買い取引と同じように簡単で利益を生むと理解することが難しいかもしれません。「空売り」は弱気相場で利益を得られるチャンスであるため、十分に自信を持つことが必要です。

弱気相場が近づいてきたと判断したら、リスク管理を心がけ、買い時や空売りのチャンスを見極めるなど、適切な投資戦略を立ててください。また、感情に左右されない冷静な判断が欠かせません。弱気相場を理解して、慌てず対処することが投資の成功につながるでしょう。

トレードのスキルアップには、こちらのコンテンツもおすすめです:

トレード戦略とリスク管理

マーケットの状況を把握しよう

DailyFXでは、300以上の学習コンテンツを公開中!

コースを始める

DailyFXでは、トレーダーの皆様に向けて、為替コモディティ株式指数等に関する最新のマーケットデータや、経済指標カレンダー個人投資家の動向に関する情報を公開中。スキルアップに役立つ、学習コンテンツ無料トレードガイドもぜひご利用ください。

推薦者: ニック・コーリー
レンジトレーディングの基礎
レンジトレーディングの基礎
ブレイクアウトトレーディングの基礎
ブレイクアウトトレーディングの基礎
トレンドトレーディングの基礎
トレンドトレーディングの基礎
推薦者: ニック・コーリー
3つの取引環境をマスターしよう
ガイドを入手

トレードに役立つ最新情報をX(@DailyFXJapan)やYouTube(デイリーFX公式チャンネル)でも配信中です。今すぐチェック!

DailyFX はグローバルなFXマーケットに影響を与えるトレンドのテクニカル分析とニュースを提供します。

広告