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市場サイクルとは?5つの局面と影響を与える要因、投資戦略を解説

市場サイクルとは?5つの局面と影響を与える要因、投資戦略を解説

DailyFX, Research
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

市場サイクルとは、強気相場が始まってそれが終了するまでの一連の流れを指します。市場サイクルの各局面を理解すれば、投資戦略を立てるうえで役に立つでしょう。本記事では、市場サイクルにおける5つの局面とその特性、投資戦略について解説します。

市場サイクルとは?

市場サイクルとは、強気相場が初めから終わりまで成熟し、その後、買われすぎが補正されて弱気相場に転じる、一連の変化のことを指します。市場での取引が始まって以来、このサイクルは同じような形で展開されてきました。これまでに全く同一の市場サイクルや厳密に同じ原動力を持った市場サイクルはありませんが、たいていは似通った特性を示しました。なぜなら、市場サイクルの各局面は人間の性質と市場心理に起因するからです。

大半の市場サイクルは、一巡して「通常の」市場サイクルに分類されますが、その中には暴落をもたらした本格的なバブルや熱狂と化した例もあります。この2つの違いは、原資産の価格が上昇する大きさと、投資家のセンチメント(市場心理)が高まる度合いによるものです。

景気サイクルとの関係性

景気サイクルとは、経済が好景気と不景気を繰り返す流れのことです。市場サイクルは、景気サイクルよりも3〜6ヶ月ほど先取りして動くと言われています。なぜなら、市場が将来の経済状況や企業業績を予測し、その予測が価格に反映されるからです。例えば、経済の好況期に突入すると見込まれると株価は上昇し、不況が予想されると株価は下落します。

景気サイクルと市場サイクルの関係性を理解することは、投資判断のタイミングや適切な戦略の選択につながるでしょう。

市場サイクルにおける5つの局面

市場サイクルには、主に以下の5つの局面があります。

  • 発見(ディスカバリー・フェーズ)
  • 勢い(モメンタム・フェーズ)
  • 爆発(ブローオフ・フェーズ)
  • 移行(トランジション・フェーズ)
  • 収縮(デフレーション・フェーズ)

これらの局面は、市場トレンドが循環的なのか永続的なのかによって2~3年程度のこともあれば、20~30年続くこともあります。また通常、短く循環的なトレンドは長く永続的なトレンドの中で発生します。

以下では、強気相場と弱気相場における市場サイクルの例を示しています。

強気相場

グラフ が含まれている画像  自動的に生成された説明

弱気相場

ダイアグラム  中程度の精度で自動的に生成された説明

続いて、市場サイクルの各局面とその特性を詳しく解説していきます。

発見の局面(ディスカバリー・フェーズ)

発見の局面は、強気相場に入るトレンドの始まりを示しています。ただし、市場参加者の大半は発見の局面に気づいていない傾向が高いと言えます。発見の局面が見られる時期は、前回の弱気相場の終わりが確定的になり、新たな強気相場が始まるタイミングです。なお、市場サイクルの後半になるまでは、発見の局面は明確に認識できないことが多いでしょう。

市場サイクルにおける段階と特性:

  • *継続期間:市場サイクル全体の25%程度
  • 買い集め(アキュムレーション)が起きる:大口投資家がトレンドの発生を嗅ぎつけ、新たな強気相場を予想して、その資金(スマートマネー)で買いポジションを集めます
  • トレンドの発生:高値と安値を切り上げながら、価格は徐々に上昇していきます
  • 急反落(シェイクアウト):最初の上昇は力尽き、その後に続く下落が弱気派を振り落とすのに十分な要因を生み出します

勢いの局面(モメンタム・フェーズ)

勢いの局面では、トレンドの認知が広まるにつれ、多くの市場参加者が引き寄せられてきます。市場参加者の増加と興奮の高まりはトレンドを加速させ、強い勢いを生みます。

市場サイクルにおける段階と特性:

  • *継続期間:通常、強気相場においては最も長いフェーズとなり、サイクル全体の35%程度を占めます。
  • 勢い(モメンタム)の高まり:基調的な強気相場が、幅広い市場参加者に認知されます。センチメントによってトレンドが強く押し上げられます。
  • 勢いの局面における初めの段階において、市場参加者の大部分は熟練した投資家だけですが、トレンドが成熟するにつれ、市場の情報に詳しくない初心者の投資家もこのトレンドに加わる傾向があります。
  • センチメント:市場に対する姿勢は健全で、強いトレンドを維持できます。この局面が終わるまでセンチメントが過熱しすぎることはありません。
  • ベアトラップ(弱気相場に見せかけ、その後に相場が上昇する状況):過大評価と市場サイクル終了への懸念が、相場に反落をもたらします。しかし、その下落は新たな買い手の登場によって止まり、次の局面の土台となります。

爆発の局面(ブローオフ・フェーズ)

爆発の局面は、強気相場において最も変動が激しい局面です。あまり市場の情報に詳しくない初心者の投資家も加わり、市場参加者が最大となることで相場は加速します。ただし、市場参加者の行動は徐々に非合理的になり、バブルや熱狂が生じた場合には非常に分析しづらい相場になります。最終的にトレンド維持は不可能となり、通常、唐突に終わります。

市場サイクルにおける段階と特性:

  • *継続期間:市場サイクルにおいて強気相場部分における最後の10%程度。
  • 楽観されやすい:新たな高値をもたらす直近の反落後、市場参加者は再び上昇するという確信を持ちやすい傾向があります。強気相場は心理的に強化され、このトレンドがいつまでも続くという考えが支持されます。
  • 取り残されることへの不安(FOMO):トレンドが加速するにつれ、「取り残されることへの不安」が生まれてきます。この期間はメディアや報道が取り上げることで、最も情報に乏しい市場参加者(一般大衆)も加わります。
  • 高揚感(ユーフォリア)が生まれる:爆発の局面では、市場参加者の多くが「市場サイクルの今までの原則はあてはまらず、今回は違う」と考えます。つまり、価格がいつまでも上昇すると想定しやすくなります。
  • 爆発の局面では、投資家の理性は完全に消え失せる場合があります。極端な場合には、非常に短期間で価格が倍以上になることさえあります。
  • 「スマートマネー」がポジションを決済する:多くのスマートマネー管理者、すなわち大口投資家などは、このサイクルのあらゆる局面においてポジションを決済します。しかし、多くの熟練ヘッジファンドマネジャーがこの局面においても依然として決済せず、運用成績を追い求めるという罪を犯すことも認識しておきましょう。

移行の局面(トランジション・フェーズ)

市場サイクルが強気相場から中立、そして弱気相場へと変化するにつれ、市場心理に大きな転換点が訪れます。このタイミングを移行の局面と呼びます。

まだ市場が上昇を続けるという楽観もあるものの、この分岐点にはそれを阻むだけの懐疑的な見方があります。つまり、売り手と買い手が押し引きする局面です。

市場サイクルにおける段階と特性:

  • *継続期間:サイクル全体のわずかな期間、およそ5%程度。
  • 警告シグナル:移行の局面では、爆発の局面後に素早く激しい売りが発生し、最初の大きな下落が起きやすくなります。そのため、市場参加者への警告として機能することが特徴です。市場参加者は一斉に将来への確信を失い始め、強気相場の「アニマル・スピリッツ(将来に対する主観的な期待)」は打ち破られます。
  • ブルトラップ(強気相場に見せかけ、その後に相場が下落する状況):しばらく高値によって市場心理を安定させていた相場が、初めに下落してから上昇したことで、投資家たちは「その売りが急落ではあったが単なる調整にすぎなかった」との間違った確信を持ちやすくなります。
  • 重要な高値切り下げが起きる:懐疑的な見方が売りを引き起こし、買い圧力は弱まります。相場は失速して高値を切り下げながら、これまでの調整後とは違った動きが発生します。
  • 市場心理に大きな転換点が訪れる:まだ上昇し続けるとの楽観も残りますが、移行の局面ではそれを阻むのに十分なだけの懐疑的な見方が生まれます。
  • ブレイクダウン:「警告シグナル」からの直近安値の下抜けは、この水準が上値になると確認できます。反転が勢いを増し始めるにつれ、市場サイクルにおいて、市場参加者に最もダメージが大きい段階へと変化します。

収縮の局面(デフレーション・フェーズ)

収縮の局面は、相場が反転することを示します。強気相場の間に過度に積み上がったポジションが一層され、急速に弱気相場が展開するのが典型的なパターンです。

市場サイクルにおける段階と特性:

  • *継続期間:市場サイクル全体の25%程度ですが、市場サイクルの終わりは何年も続くことがあるため、この割合は大幅に変わる可能性もあります。
  • 強気相場の局面で過度に積み上がったポジションが一掃されます。
  • 恐れと投げ売り(キャピチュレーション):収縮の局面では、市場参加者が強気相場が終わったことを受け入れ、群集心理に明らかな変化が起こります。損失が膨らみ、売りが本格的になり急速に価格が下落します。これにより多くの場合、パニック売りや投げ売り(キャピチュレーション)を引き起こします。
  • 底値買い(ボトムフィッシング):大きな損失の後、バリュー(割安)を求める投資家は底値を探しますが、この段階での上昇はすぐに終わります。バリューを求める買い手と残った売り手(損失を計上している)の攻防が、相場を徐々に下方へと向かわせます。
  • 弱気相場の終わり:損失は最大に達し、市場参加者の弱気が市場を支配し始めます。残っていた売りも一巡して枯渇します。この期間は新たな「発見の局面」に至るまで続き、比較的短い期間で終わることもあれば、数年間続くこともあります。

* 継続期間は大幅に異なる場合があり、大まかな目安にすぎません

市場サイクルに影響を与える要因

中央銀行の金融政策は、市場サイクルに大きな影響を与えます。中央銀行は金利の調整や市場への資金供給量を変更することで、経済の活性化または冷却を試みます。

具体的には、金利を下げると企業の借入が増えて投資が活発になり、株価が上昇する市場サイクルへと移行します。逆に、金利を上げると企業の借入が減り、投資が冷え込むため、株価が下落する市場サイクルへと転じます。

さらに、市場サイクルは金融政策だけでなく、さまざまな要素に影響を受けます。例えば、政治的な要因です。大規模な選挙結果や政策改革は市場の期待を変化させ、それが市場サイクルに反映されます。また、テクノロジーの進歩も重要な要因と言えます。革新的なテクノロジーが市場に登場すると、その分野の成長期待感が高まり市場サイクルに影響を及ぼします。なお自然災害やパンデミックなども、市場サイクルに影響を与える可能性があります。これらは経済活動全体を一時的に阻害し、市場サイクルの進行を遅らせるかもしれません。

市場サイクルを利用した投資戦略

ここでは、市場サイクルを利用した投資戦略を紹介します。

市場サイクルを見極める方法

市場サイクルの見極め方は、経済指標の分析とチャート分析の2つがあります。

経済指標の分析では、金利やGDP成長率、失業率などのマクロ経済的な要素を見ることで、市場の動向を予測します。これらの数値が改善しているとき、市場は拡大傾向にあり、「発見の局面」や「勢いの局面」と捉えられるでしょう。

一方、チャート分析では、過去の株価の動きをテクニカル分析などにより、視覚的に捉えることで市場サイクルを把握します。例えば、株価が下落トレンドにあるとき、市場は「移行の局面」「収縮の局面」にあると考えられます。

ただし、どちらの方法も市場サイクルを確実に特定できるものではありません。できるだけ両方の方法を組み合わせて、市場サイクルを見極めることが重要です。

市場サイクルを活用した投資方法

市場サイクルを活用した投資方法は、市場の流れを読み解き、最適なタイミングで投資する手法です。例えば、「勢いの局面」では金利の動きを注視し、金利低下なら債権や不動産へ、金利上昇なら株式へ投資するという戦略を取るとよいでしょう。

また、「爆発の局面」や「移行の局面」と「収縮の局面」の市場サイクルが下降するときはリスク管理を重視し、保有資産の見直しやリスクヘッジを行うことが重要です。

市場サイクルの各局面を理解してその特性を活かした投資戦略を立てることが大切

市場サイクルは歴史的に見てもこれまで続いており、取引において重要な要素の1つです。市場サイクルを形づくる5つの局面を正しく理解することは、今後の取引戦略を構築するうえで大切になるでしょう。このような市場サイクルが市場の歴史で最も過熱しすぎた時期にどのように展開したのかについては、主なバブル経済、金融危機、フラッシュクラッシュ(瞬間的な相場変動)などの略史をご覧ください。

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