RSIの使い方 - 知っておくべき重要なこととは?
- クロスを使用した単純な利用法以上のことを考える
- トレンドの向きを判断するために、中心線を使う
- RSIの設定は、おおよその変動に合わせて調整が可能
RSI(相対力指数)とは?
RSI (相対力指数) は、トレードの際の参考にする最も人気の指標の一つです。これには相応の理由があります。RSIはオシレーター系テクニカル指標の一つとして、トレンドやエントリーのタイミングなどを判断するのに役立つからです。
RSIは、値動きの速度と変化を測定するためにJ・ウェルズ・ワイルダーによって開発されました。RSIは0から100の間で変動します。様々な使い方がありますが、間違いなく最も利用頻度が高いのは、クロスを使用して「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」を判断する使い方です。
RSI指標と様々な設定状況に慣れるために、他にあまりないRSIを使ったトレードのヒントを3つご紹介します。
テクニカル分析入門
テクニカル分析ツール
推薦者: James Stanley
1. クロスを使用した単純な利用法以上のことを考える
RSIやその他のオシレーター系テクニカル指標を学んだばかりのトレーダーは、指標が買われ過ぎや売られ過ぎの領域から離れる時に、それを直接的なシグナルとして見出そうとするなど、買われ過ぎや売られ過ぎという判断に重きを置く傾向があります。これらは、あや戻しで市場に参入する際の直感的なポイントではありますが、トレンドが強い時には望む結果をもたらさないことがあります。RSIはモメンタムオシレーターと呼ばれ、トレンドが長く続くと、RSIは長期間、買われ過ぎ、あるいは売られ過ぎの状態となり、強気トレンドの最中に売りシグナルを発したり、弱気トレンドの際に買いシグナルが出るという現象が起きることがあります。
下図は、ユーロ/ドルの8時間足チャートでRSIを使用した例です。最初の売りシグナルは強い弱気なトレンドを示唆していましたが、弱気トレンドが定着し、価格がまだ下がり続けているにもかかわらず、RSIは複数の強気シグナルを示しました。
ユーロ/ドル 8時間足チャート(RSI含む)
ユーロ/ドル 8時間足チャート(2021年9月~2021年10月) ジェームズ・スタンレー作成
これは、RSIやその他の指標からやみくもにシグナルを受け取ってはいけないことを示す良い例です。他の指標同様、RSIは正しく使用すれば非常に有益ですが、使い方を誤るとダメージは壊滅的なものになりかねません。
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2. RSIでトレンドを見つける – 中心線を意識
すべてのオシレーター系指標には中心線(センターライン)がありますが、多くの場合、指標自体の動きに隠れて、忘れ去られた背景のようになっています。RSIも例外ではありませんが、中心線はレンジの中間点である50に位置しています。
テクニカル指標を活用するFXトレーダーは、この中心線を利用して、トレンドの転換を見極めています。RSIが50を上回れば、モメンタムが上昇していると考えられ、買いを入れる機会をうかがうことができます。50を下回る動きは、新しい弱気トレンドの発生を示唆しています。
下図では、再びユーロ/ドルの例を、今度は週足チャートで示しています。RSIが50を中心に上下することで、その時支配していたトレンドが示される傾向にあったことに注目してください。2018年4月以降、RSIはほぼ50を下回る水準にとどまり、ユーロ/ドルはこの期間の大半において下落トレンドが定着していました。2020年第1四半期に新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響が織り込まれる中、相場は多少不安定になりましたが、その年の5月にRSIはモメンタムに呼応する形で強気シグナルを発し、その後の9カ月間、ユーロ/ドルは力強く上昇しました。
どの指標も完璧ではありませんが、週足チャートで見るRSIのような指標は、相場の方向性を示すシグナルとして有用であり、トレーダーは、長期の時間枠チャートからテクニカル分析の観点から見た方向性(バイアス)を得て、そのバイアスを今度は短期の時間枠チャートを使用して生かすことができます(マルチタイムフレーム分析として知られるテクニック)。
ユーロ/ドル 週足チャート(RSI含む)
ユーロ/ドル 週足チャート(2018年~2022年4月) ジェームズ・スタンレー作成
3. パラメーターを確認する
RSIは、他の多くのオシレーター系指標と同様に、14日周期の設定がデフォルトとなっています。これは、どのチャートであっても14本のローソク足をさかのぼって、それらの数値を読み取っていることを意味します。デフォルトの設定は14日周期ですが、それがあなたのトレードに最適な設定であるとは限りません。通常、短期トレーダーは、より短期間な市場の動きを確認したいため、9日のような、より短い周期のRSIを使用します。長期トレーダーは、25日のような、より長い周期のRSIをもう一つのRSI指標として利用することがあります。
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最後に、9日周期と25日周期のRSIを並べて比較してみましょう。一見、大きな違いはないように見えますが、中心線と、70と30のラインに注目してみてください。グラフ上部の9日周期RSIは25日周期RSIに比べ、かなり揺れ幅が大きくなっています。
![](https://a.c-dn.net/b/1wkD0b/rsi+2.3.jpg)
チャート作成:ジェームズ・スタンレー
相対力指数に関するよくある質問
RSI(相対力指数)と併用すべき価値ある分析ツールとは?
その名が示すように、RSIは単に相場の相対的な強さを測定する指標です。RSIを使用してトレンドの反転を見極めようとする場合、ローソク足分析やトレンドライン分析など、他の分析ツールも取り入れることが重要です。例えば、RSIにダイバージェンスが発生している際にトレンドライン付近で反転を示すローソク足パターンが読み取れれば、売買シグナルが発生していると言っていいでしょう。
RSIが適用できるマーケットとは?
RSIは市場の相対的な強さを測定するため、ほぼすべての市場に適用可能なテクニカルツールです。しかし、一般的には、FX、株式、コモディティなど、流動性が高く、規模の大きい市場に適用されています。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト兼 DailyFX学習コンテンツヘッド、ジェームズ・スタンレー著
スタンレー氏に連絡するには、Twitter で @JStanleyFX までお願いいたします。