カナダおよびポーランド中央銀行が、12月6日に金融政策決定会合を開催する。FRBの利上げサイクル終了が視野に入る中、カナダおよびポーランド中銀の金融政策スタンスにも変化が見られる可能性がある。中銀会合を控えたカナダドルおよびポーランドズロチの対円での見通しとは
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カナダ、ポーランド中銀の会合近付く
12月6日にカナダおよびポーランド中央銀行が金融政策決定会合を開催する。両中央銀行とも、政策金利を据え置くことが予想されている。金融市場では、カナダ、ポーランドともに、当面は政策金利を据え置き、3～6か月以内に利下げを実施するとの予想が優勢である。
政策金利見通し（カナダ：左、ポーランド：右）
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
カナダ政策金利およびインフレ
カナダ中銀は、7月以降政策金利を据え置いている。カナダ中銀は、追加利上げの可能性に言及しているものの、インフレ鈍化が進展し、インフレ目標レンジである1-3％に近付いている。また、景気減速懸念が強まっており、中銀会合にて追加利上げの可能性を後退させ、利下げ織り込みが一段と進展する余地がある。
資料：Trading EconomicsよりDailyFXが作成。
ポーランド政策金利およびインフレ
ポーランド中銀は、インフレ鈍化に伴い9、10月の金融政策決定会合にて利下げを実施した。11月の会合では、10月の総選挙にて野党勢力が過半数を獲得し、政権を樹立したことに伴い、政策金利を据え置いた。
従来の政権は、景気刺激に重きを置いており、政権の意向を受けて中銀は低金利政策を実施してきた。野党勢力による政権が樹立した中、インフレ率が目標（2.5％±1％）と比べて高い中、急ピッチに利下げを行う必要性は低下している。
資料：Trading EconomicsよりDailyFXが作成。
カナダドル円（CADJPY）の見通し
カナダドル円は、中立である「シンメトリカルトライアングル（対称三角形）」パターン内を下方ブレイクし、下落トレンド入りの可能性が高まっている。また、20日指数移動平均線が50日指数移動平均線を下抜け、カナダドルに弱気の「デッドクロス」が示現している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯する中、カナダ中銀が追加利上げの可能性を後退させ、金融市場での利下げ織り込みが進展した場合、カナダドル円は下落しよう。その場合、7月から10月にかけてのカナダドル円の上昇（CAD高JPY安）の半値戻しの水準である107.702円が視野に入る。
カナダ中銀の金融政策決定会合にて、追加利上げの可能性を引き続き残した場合、「シンメトリカルトライアングル」パターン内に回帰できるかに注目。パターンに回帰した場合、下落トレンド入りはだましであり、再びパターン内での推移を見込む。
CADJPY日足チャート
資料：Trading View
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ポーランドズロチ円（PLNJPY）の見通し
総選挙の結果を受け、10月以降、ズロチ円は上昇（PLN高JPY安）していたが、上昇の勢いに衰えが見られる。MACDラインがシグナルラインを下抜け、ポーランドズロチに弱気の「デッドクロス」が示現している。また、ズロチ円の上昇トレンドの反転を示唆する、小型の「ダブルトップ」パターンが示現している。
ポーランド中銀が、利下げ再開の可能性を示唆した場合、ズロチ円の下落圧力が一段と強まる可能性がある。その場合、10月26日から11月28日までのズロチ円の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8％水準36.151円への下落が視野に入る。
PLNJPY日足チャート
資料：Trading View。
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推薦者： 木全哲也
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
