9月はFOMCを受けて米国長期金利が上昇、米ドル高が進展したものの、カナダドルは米ドルを除く主要通貨に対して上昇した。カナダドルの対円、対ドルでの10月の見通しとは
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サマリー
9月のカナダドル相場
カナダに加え、日米欧を含めた多くの中央銀行が金融政策決定会合を開催した。特に、FRB(米連邦準備制度理事会)を巡る金融政策不透明感が高まった。FOMC(米連邦公開市場委員会)では、FRBが政策金利を「より高く、より長く」する方針であることが明らかになった。
カナダ中央銀行は金融政策決定会合を開催し、政策金利を据え置いた。景気やインフレ減速などを背景に政策金利の据え置きは事前に予想されていた。
カナダでは、9月半ばに発表されたインフレ率が高止まりを示したことで追加利上げの可能性が高まり、金融市場では、年内あと1回の利上げが優勢になっている。
FOMCを受け、FRBの早期利下げ観測が後退する中、米ドル高が進展したものの、カナダドルは米ドルを除く多くの主要通貨に対して上昇した。
カナダのインフレ高止まりに加え、主要産品である原油価格の上昇がカナダドルをサポートした。ロシアとサウジが原油の供給制限を発表したことから原油の供給リスクが高まり、原油価格が上昇した。
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資料:Trading Economics。対米ドルパフォーマンス。DXYは米ドルインデックス。
10月のカナダドル相場は、FRBやカナダ中銀の金融政策に対する思惑、そしてカナダの主要産品である原油価格の動向に左右されよう。10月はFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催がないものの、25日にカナダ中銀が金融政策決定会合を開催する。また、中東情勢の緊迫化を受けて原油の供給不安が高まり、原油価格の変動が大きくなっており注視が必要である。
米ドル/カナダドルの見通し
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -6% | 1% | -4% |
週次 | 44% | -14% | 15% |
USDCADは、週足チャートで、2023年3月6日の週から7月10日の週にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント78.6%水準1.370レベルがレジスタンスとして機能している。一方、RSIは引き続き50を上回り、カナダドルの弱気モメンタム(米ドルの強気モメンタム)が継続していることを示しており、テクニカル面では米ドルカナダドルに対して中立である。
テクニカル面で中立な中、FRBやカナダ中銀の金融政策、そして原油価格の動向によって、米ドル/カナダドルが上下双方に動く展開を想定したい。
米ドルカナダドルが上昇(米ドル高カナダドル安)が進展した局面では、引き続きフィボナッチ78.6%水準1.370レベルがレジスタンスとして機能するかに注目。USDCADが1.370レベルを上方ブレイクした場合、2023年3月6日の週の高値1.386レベルを目指すシグナルになろう。一方、レジスタンスとして再度機能した場合、米ドル高カナダドル安トレンドの反転を示唆する「ダブルトップ」パターンが成立し、米ドル安カナダドル高トレンドへの転換の可能性が高まる。
中東情勢の緊迫化などを背景に一段と原油高が進行し、米ドルカナダドルが下落(米ドル安カナダドル高)した局面では、フィボナッチ38.2%水準1.339レベルへの下落(USD安CAD高)が視野に入る。
USDCAD週足チャート
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資料:Trading View
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カナダドル円の見通し
CADJPYは、週足チャートで、カナダドル円の上昇継続を示唆する「上昇ペナント」パターン内を上方ブレイクし、上昇トレンドが再開したものの、2022年9月12日週高値110.523レベルを終値ベースで上方ブレイクすることに失敗した。更に、カナダドル円の上昇トレンドの終了を示唆する「宵の明星」パターンが成立している。
テクニカル面でカナダドル円に弱気シグナルが点灯し、FRBの金融政策不透明感により投資家センチメントが悪化する中、カナダドル円の下落を見込む。カナダドル円の「上昇ペナント」パターンの上方トレンドラインでサポートされるかに注目。トレンドラインを下方ブレイクすると、カナダドル円の上昇トレンドが終了した可能性が一段と高まる。
一方、中東情勢の緊迫化を受け、原油価格が上昇し、カナダドル円が上昇した局面では、2022年9月12日週高値110.523レベルを終値ベースで上方ブレイクするかに注目。ブレイクに成功した場合、弱気である「宵の明星」パターンが無効になり、カナダドル円の上昇圧力が再度強まることを見込む。
CADJPY週足チャート
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資料:Trading View
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著