※2023年4月18日15時55分更新
香港ハンセン、上海総合指数 - テクニカル分析見通し
世界第2位の経済大国である中国の景気回復が加速しており、中国/香港の株式はさらに上昇する可能性がある。
中国国家統計局がきょう18日朝に発表した今年1－3月期の国内総生産（GDP）は物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比4.5%増加し、予想の4%増、前四半期の2.9%増を大きく上回った。3月の鉱工業生産は前年同月比3.9％増と、予想（同4％増）をやや下回ったが、2月（同2.4％増）は上回った。3月の小売売上高は前年同月比10.6％と、予想（同7.4％増）、2月（同3.5％増）をともに大きく上回った。一方、1－3月期の固定資産投資は前年同期比5.1％増と、前年同月（5.5％増）から減速し、予想（5.7％増）も下回った。
中国のエコノミックサプライズ指数
作成：Excel使用、資料：ブルームバーグ
ここ数週間、中国の経済指標は予想外に好調な内容なものが続いており、今月の中国エコノミックサプライズ指数は少なくとも2014年以来の高水準となっている。さらに、不動産市場の回復傾向（3月の新築住宅価格は過去21カ月で最も速いペースで上昇）や、企業に対する中国当局の締め付けが終了する可能性を背景に、中国経済の急速な回復は一時的なものにとどまらない可能性が出てきた。
上海総合指数 日足チャート
チャート作成：マニッシュ・ジャラディ、資料：TradingView
コンセンサス予想では、中国における2023年のGDP見通しは前年同期比約5.3％増加となっており、1月の予想（約4.3％増）から大きく上昇した。中国/香港株は2022年後半から反発しているが、バリュエーションの観点から、過去20年間の平均を下回る水準で取引されているため、中国景気見通しの上方修正は株高につながるかもしれない。
香港ハンセン指数 日足チャート
チャート作成：マニッシュ・ジャラディ、資料：TradingView
上海総合指数： 重要なレジスタンスを上回って上昇
上海総合指数は、89週移動平均線（2022年の反発はフィボナッチの水準であるこの移動平均線で失速した）とほぼ重なる、3月上旬の高値3,343の重要なハードルを上抜けた。指数は、2022年半ばの高値3,425を再び試しそうな勢いに見える。3,425を上方ブレイクすれば、大型のダブルボトム（2022年安値圏で形成）が示現し、2021年の高値3,730を上回る約15%高の水準まで上昇する可能性が開かれる。
上海総合指数 週足チャート
チャート作成：マニッシュ・ジャラディ、資料：TradingView
香港ハンセン：上昇に向かい柔軟性が上がり始める
香港ハンセン指数は昨年12月の安値18,885の重要なサポートを上回った水準を維持しており、2022年末から続く高値圏での高値・安値の切り上げが続いている（つまり、上昇トレンド）ことが確認された。色分けされたチャートは、指数の強気局面が再開されたことを示唆している（下図参照）。
香港ハンセン指数は現在、日足チャート上の一目均衡表の上端とほぼ重なる水準である21,000付近で推移しており、3月上旬からの水平トレンドラインという重要なレジスタンスを試している。このレジスタンスを上方ブレイクすると、1月の高値22,700に向かって上昇する可能性が開かれる。
香港ハンセン指数 日足チャート
チャート作成：マニッシュ・ジャラディ、資料：TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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