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鉄鉱石価格は買い時?中国景気刺激策に高まる期待:「勝ち組」銘柄はこれだ

鉄鉱石価格は買い時?中国景気刺激策に高まる期待:「勝ち組」銘柄はこれだ

ナディーネ・ブレイニー, Ausbiz アナリスト
原著者
居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

中国の景気刺激策による工業生産の回復を背景に、鉄鉱石価格はここ数カ月安定している。今が買い時なのだろうか?「勝ち組」の鉄鉱石銘柄とは?

鉄鉱石価格を左右する中国景気

鉄鉱石のスポット価格は、1-3月期(第1四半期)に約30%下落した後、ここ数カ月は安定している。この回復は、中国の工業生産が回復し、苦境にあえぐ不動産市場を活性化させるため中国政府が矢継ぎ早に景気刺激策を発表したことで、在庫が補充され需要が改善したことが背景にある。

世界的にみると、2024年の鉄鋼生産の伸びは今のところ横ばいである。しかし、オーストラリアの産業・科学・エネルギー資源省は、景気刺激策を背景にインフラ事業がさらに活発化し、2024年下半期の世界の鉄鋼生産の回復を支えるため、世界の鉱工業生産は徐々に改善すると予想している。

鉄鉱石はコモディティの中で、依然としてオーストラリア最大の輸出品目である。豪州政府が発行する資源・エネルギー季報2024年6月号によると、同政府は今後2年間、価格は下落するが、数量は年間2.3%増加すると見込んでいる。

オーストラリアの資源・エネルギー輸出

資料:オーストラリア政府

中国のインパクトある景気刺激策

鉄鉱石価格を動かす可能性がある次の要因は、7月15日から18日にかけて開催される中国全人代(全国人民代表大会)である。景気刺激策のさらなる促進と近代化する中国がアピールされるとみられる今回の全人代は、2022年に決定した5年の任期以来3回目。前回の第3回全体会議では大きな政策変更が行われたこともあり、不動産セクターのさらなる刺激策に対する投資家の期待は高い。

豪コモンウェルス銀行は、第3回全体会議で不動産市場に対して驚くような大型の刺激策が打ち出されるとは予想していない。中国の鉄鋼生産量は、インフラ向け支出が不動産市況の低迷によって相殺されるため横ばいで推移し、2024年下半期の鉄鉱石価格は1トン当たり100―110米ドル程度で安定するとみている。

CBAの鉱業・エネルギー商品リサーチ・ディレクターであるビベック・ダー氏は、最近Ausbizの取材に対し、「中国が5%の経済成長目標の達成に本当に苦戦するようであれば、成長を促すために政策立案者がインフラ支援に動く可能性がある」と述べた。

モルガン・スタンレーの強気見通し

米金融大手モルガン・スタンレーは、鉄鉱石価格が年末にかけて上昇するとみている。中国の港湾における鉄鉱石の備蓄量は比較的高い水準を保ち、今後数カ月間、鉄鋼原料の価格にとって逆風であり続けると予想しているが、第4四半期には変化するはずだという。モルガン・スタンレーは、鉄鉱石の予想平均価格を1トン当たり120米ドルとしており、第4四半期の予想価格としてはアナリストの中で最も強気な価格に入ると述べている。

米金融大手ゴールドマン・サックスは、鉄鉱石価格が年内平均で1トン当たり100米ドルになると予想しており、高品位鉄鉱石の長期価格予想は1トン当たり78米ドルとしている。

米金融大手シティグループは鉄鉱石価格についてあまりポジティブではなく、中国の第3回全人代を控えて変動が大きく、ファンダメンタルズ面では下振れリスクが示唆されるという。鉄鋼需要の鈍化、鉄鋼在庫の増加、鉄鋼生産規制による需要減退を踏まえ、3カ月価格予想は95米ドル/トンを維持する。

一方、スイス金融大手UBSは、鉄鉱石のファンダメンタルズについて、第2 四半期の需要減退と供給増から「弱い」としながらも、下値は限定的で、1トン当たり90―100米ドルがサポートになると予想している。

鉱業会社に投資価値はあるのか

オーストラリアの鉱山会社は、現在の価格で中国に鉄鉱石を販売しており、大きなキャッシュを生み出し続けているが、 鉱業会社の株価は過去3カ月間、豪ASX200や他のグローバル株価指数を大幅にアンダーパフォームしている。では、鉄鉱石価格の見通しを踏まえたうえで、鉄鉱石鉱山会社の銘柄に投資する価値はあるのだろうか?

株式トータルリターン

資料:UBS

BHP:「買い」と評価

ゴールドマン・サックスは、25年度の鉄鉱石生産量が減少するとの予想にもかかわらず、世界最大の鉱業会社BHPを「買い」と評価し、目標株価を48.40ドルに設定している。バリュエーション、優れたマージン、西オーストラリア州鉄鉱石生産地域ピルバラでの好業績を指摘している。豪金融グループのマッコーリーは、四半期生産報告を控える中、BHPの投資判断を「中立」とし、BHPの鉄鉱石の業績はコンセンサスを4%上回ると予想している。

BHP株価 日足チャート

資料:IG

アナリストの投資判断:「買い」

資料:Refinitiv

リオ・ティント:「最も好ましい鉱業銘柄の1つ」

ゴールドマン・サックスは、2024年と2025年の鉄鉱石出荷量予測を若干引き下げたものの、バリュエーション面からリオ・ティント(RIO)を「買い」と評価している。目標株価は137.00ドル。モルガン・スタンレーは、リオ・ティントを最も好ましい鉱業銘柄の1つに挙げ、その低コスト資産と、強固なキャッシュを生み出す力を維持している点を評価している。モルガン・スタンレーによると、株価は鉄鉱石スポット価格と限界費用を下回る長期的な価格設定になっているという。

リオ・ティント株価 日足チャート

資料:IG

アナリストの投資判断:「買い」

資料:Refinitiv

フォーテスキュー・メタルズ・グループ:「売り」の投資判断

ゴールドマン・サックスはフォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)の投資判断を「売り」とし、下値目標株価は16.20ドルとしている。理由としては2025年度の鉄鉱石出荷の減少、鉄鉱石に対する設備投資の増加、グリーン設備投資削減の見通しなどが挙げられている。また、BHPやリオ・ティントに対する相対的なバリュエーションも指摘している。

UBSは、ローリングフォーキャスト、鉄鉱石価格、現金の減少に基づき、フォルテスキュー・メタルズの目標株価を15%引き下げ18.90ドルとした。モルガン・スタンレーは24年度以降の鉄鉱石価格の低迷と、成長および脱炭素化への投資がフリー・キャッシュ・フローの利回りを圧迫するとして、フォーテスキューの投資判断を「アンダーウェイト」としている。

フォーテスキュー株価 日足チャート

資料:IG

アナリストの投資判断:「売り」

資料:Refinitiv

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