カナダ中銀の金融政策決定会合を6日に控える中、カナダでGDPが公表された。各国中銀の金融政策の転換点が近付く中、カナダドル円および、CADに大きな影響を持つ原油価格の今後の見通しとは
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サマリー
カナダ経済に暗雲
カナダにて第2四半期GDP速報値が公表された。前期比年率-0.2%と、前四半期と比べて成長が急減速し、マイナス成長となった。住宅投資、在庫積み増しの縮小に加え、輸出や家計支出が縮小したことがマイナス成長の要因となった。低調なカナダGDPの結果を受け、カナダドルは対米ドルで下落した。
9月1日発表カナダGDP
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カナダ金融政策決定会合
カナダ中央銀行は、20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)に先駆けて6日に金融政策決定会合を開催する。カナダGDPの結果を受け、利上げ織り込みが後退している。6日会合では据え置きが予想されているが、年内の利上げ有無は金融市場でも意見が分かれており、今回の金融政策決定会合で示される今後の政策見通し次第で通貨カナダドルが大きく動く可能性がある。
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資料:BloombergよりDailyFXが作成
原油価格見通し
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カナダドルの動向を占う上で、カナダの主要産品である原油価格の動向も重要である。原油価格が上昇した場合はカナダドルをサポートする一方、下落した場合はカナダドル安要因になりうる。
WTI原油価格はロシアが原油輸出削減を延長で「OPECプラス」と合意したことや「OPECプラス」の原油減産が年内いっぱい続くとの思惑を受け、需給が引き締まるとの見方から上昇している。原油価格の重荷となってきたFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ終了が近付いていることも原油価格をサポートしている。
WTI原油価格は、8月10日高値84.85ドルを上抜け、上昇圧力が強まっている。原油日足チャートで、50日指数移動平均線が200日指数移動平均線を上抜ける原油に強気の「ゴールデンクロス」が示現している。また、MACDラインがシグナルラインを上抜ける原油に強気の「ゴールデンクロス」も示現している。テクニカル面では、原油価格に強気のシグナルが点灯している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯する中、引き続き原油需給の引き締まり観測やFRBの利上げ終了が近いとの思惑が原油価格をサポートし、一段高を見込む。昨年11月から今年3月の原油価格の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント78.6%水準87.45ドルが視野に入る。
一方、20日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控える中、FRBの年内利上げ観測が高まった場合、米金利上昇による世界景気の減速懸念から原油価格に下押し圧力が掛かる可能性がある。その場合、4月12日高値83.49ドルがサポートとして機能するかに注目。
WTI原油価格日足チャート
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資料:Trading View
カナダドル円の見通し
カナダドル円の日足チャートで、強気の継続パターンである「アセンディングトライアングル」パターン(上昇三角形)が示現している。アセンディングトライアングルは強気の継続パターンで、サポートラインとして機能する上昇する下方トレンドラインと、レジスタンスラインとして機能する水平な上方トレンドラインを特徴とする。
FRBの利上げ終了観測が強まった場合やカナダの主要産品である原油価格が上昇した場合、カナダドル円は上方トレンドライン108.285レベルを上抜け、カナダドル円の上昇トレンドの再開することを見込む。トレンドラインを上方ブレイクした場合、カナダドル円は、6月27日高値109.506レベルが視野に入る。
一方、カナダドル円が下落した場合、現在106.90レベル近辺にある下方トレンドラインでサポートされるかに注目。サポートされた場合、カナダドル円の地合いが強く再度上方トレンドラインへ向かって上昇することを見込む。しかしながら、下方ブレイクした場合、4月以降のカナダドル円の上昇トレンドが終了した可能性が高まる。
CADJPY日足チャート
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資料:Trading View
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著