※2024年2月21日15時39分更新
先週のドイツと英国の株式相場は、ドイツの工場受注と欧州製造業が好調だったことを受け、上昇して取引を終えた。米国株がインフレ懸念で足踏み状態の中、回復ぶりが目立っている。
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米国株式相場が予想を上回るインフレ指標をめぐる懸念から足踏みしたまま週末を迎えた一方、ドイツと英国の株式相場は堅調な動きで週を終えた。
人工知能（AI）関連の構成銘柄は少ないが、ドイツの代表的な株価指数であるDAX指数は今年に入り、米国株価指数に続いて史上最高値を更新した。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーショックは一段落している。欧州、特にドイツが自国の景気拡大の恩恵を受けている中国経済に対するセンチメントはいまだ低迷しているが、上向きに転じているようだ。また、世界の製造業も好転しており、インフレ率の低下により欧州中央銀行（ECB）は今後数カ月で利下げに踏み切る可能性が高い。
今月初旬に発表されたデータによると、ドイツの2023年12月の工場受注は前月比8.9%増と、大幅に増加した（市場予想は横ばい）。これは2020年6月以来の好調な伸びで、複数の業種からの大型受注が後押しした。今週発表されるユーロ圏のHCOB購買担当者景気指数（PMI）速報値は、さらに楽観的な兆しを示すと予想されている。
ユーロ圏PMI、好調と予想
22日に発表される1月のユーロ圏のHCOB製造業PMIは46.6と10カ月ぶりの高水準となり、HCOBサービス業PMIは48前後と3カ月連続で安定すると見られている。
2月の製造業PMIは46.6から47.0へ、サービス業PMIは48.4から48.7へと上昇すると予想されている。総合PMIは48.8と、1月（47.9）を上回ると見られている。
HCOB総合PMI速報値
資料：TradingEconomics
英国株テクニカル分析：FTSE
先週末の力強い上昇を受け、英国の代表的な株価指数であるFTSE指数は過去9カ月間維持されてきた7,750/7,765近辺のレジスタンスを目指す展開となっている。FTSE指数が7,750/7,765近辺を持続的に上回れば、4月の高値7,936を試す可能性があり、次いで8,047の高値も視野に入る。
しかし、FTSE指数が再び7,750/7,760近辺のレジスタンスで拒まれた場合は、200日移動平均線と先週の安値7,492が位置する7,550/7,500のサポートに向かって下降する可能性が高い。
FTSE 日足チャート
資料：TradingView
ドイツ株テクニカル分析：DAX
1月中旬から下旬にかけてのレポートでは、1月上旬の高値17,123から1月中旬の安値16,464にかけて3波にわたる下落が発生した。この動きはもみ合い局面である可能性が高く、DAX指数は新高値に押し上げられるだろうと指摘した。
その後、DAX指数は17,255で史上最高値を更新した。しかし、RSI（相対力指数）では弱気のダイバージェンスが続いていることや、波動の動きから指数の上昇が成熟の段階に入っていると見られることを考慮すると、そう遠くないうちに5―10％反落するという見方に変わりはない。
DAX 日足チャート
資料：TradingView
