決算シーズンの幕開けを迎える7月12日、米金大手JPモルガン（JPM.N）は2024年4－6月期（第2四半期）決算を発表する。JPモルガンはこのところ1株当たり利益（EPS）予想を上回ってきたこともあり、期待感から4日、史上最高値を更新した。今後の株価見通しを探る。
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EPSは連続で予想を上回っている
JPモルガンは12日の米国株式市場寄り付き前に2024年第2四半期決算を発表する。アナリストは1株当たり利益（EPS）を4.19ドル（前年同期比4.1％減）と予想している。このような予想に反して、JPモルガンはここ数四半期、一貫してEPS予想を上回ってきた。しかし、同行は以前、地政学的な懸念とインフレを理由に見通しは「不確実」だと警告していた。アナリストは2024年度通年のEPSを2023年度比2.1％減の16.44ドルと予想している。
市場で起こる様々な想定シナリオを理解することは、投資チャンスを見極める上で極めて重要である。市場は、「金利がより長く高水準を維持する」との見方から、インフレ率が目標値に向かって低下し、金利が緩和されるソフトランディングを予想する環境へと変化している。しかし、米国と欧州の景気後退懸念は依然としてくすぶっている。シナリオによって優劣はあるが、銀行セクターは一般的に予想される3つすべての展開に対して十分な態勢を整えている。
長期金利上昇シナリオでは、特に変動金利型の融資を多く抱える銀行は、より高い貸出金利息を維持できる。米国の都市銀行は繁栄する可能性が高いが、地方銀行は困難に直面するかもしれない。ソフトランディングシナリオでは、貸出金利息は悪化するが、銀行の代替収入源は改善する。銀行は金利ヘッジによってリスクを軽減することができ、金利が低下すれば、政治的圧力や一部の欧州諸国で銀行に課される意外税（突然の意外利益に課される税）が減少するかもしれない。銀行はより広範なマクロ経済環境下において中心的な役割を果たすため、景気後退は銀行にとって最も困難なシナリオである。このシナリオとなる場合は、投資家の焦点は資産の質と貸し倒れ懸念に移り、米国の地方銀行と中国の中小企業セクターに対する監視の目が厳しくなるだろう。
株価は年初来で18.9％上昇
JPモルガン株は年初来で18.9%上昇し、S&P500種株価指数と金融セクターの両方をアウトパフォームしている。しかし、ジェイミー・ダイモン最高経営責任者（CEO）が現在の株価での自社株買いを制限すると発表したため、株価は5月20日に4％下落した。また、1－3月期（第1四半期）の決算では、売上高とEPSが予想を上回ったものの、純金利収入と通期予想が予想を下回ったため、株価は6％下落した。
アナリストの投資判断は「強い買い」
アナリストは、24人中17人がJPモルガンに対して「強い買い」の投資判断を維持している。平均目標株価205.25ドルは、緩やかな上昇の可能性を示唆している。
JPモルガンの株価 テクニカル分析
JPモルガンの株価は昨年10月以降、57%上昇している。7月3日には5月の史上最高値207.55ドルを上回り、記録を更新した。株価は50日単純移動平均線（SMA）を上回って推移しており、50日、100日、200日SMAはすべて上向きだ。価格は6月の安値190.50ドルを上回る水準を維持しており、短期的に強気な見方に変わりはない。
JPモルガン株価 日足チャート
資料：ProRealTime
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