原油在庫が約1年ぶりとなる大幅減少。米国ドライブシーズンに伴い原油・ガソリン需要が増加している可能性。メキシコペソの投資家心理は、6月はじめの選挙前の水準に戻っておらず、一段と改善する余地がある。テクニカル面でも注目すべき動きが見られる中、WTI原油、メキシコペソ（MXN/JPY）の今後の見通しとは。
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【原油価格のターゲット】
上値①：84.00ドル
上値②：85.00ドル
下値：9日移動平均線（現在81.94ドル）
【MXN/JPYのターゲット】
上値：50日移動平均線（現在8.986円）
下値：9日移動平均線（現在8.818円）
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原油在庫急減
米国エネルギー省（EIA）より、週間原油・ガソリン在庫が公表され、原油・ガソリン在庫ともに大幅に減少した。特に原油在庫は、週間ベースで約1年ぶりとなる大幅な減少であった。
今回の原油・ガソリン在庫データは、米国のドライブシーズンに伴い、原油・ガソリンに対する需要が高まっていることを示唆する結果であった。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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メキシコペソの不安心理
6月はじめの大統領選挙、総選挙を受け、国家支配の強化、財政収支の悪化などが懸念された結果、投資家のリスクセンチメントが悪化、USD/MXNが大きく変動するとの見方が強まり（インプライドボラティリティが上昇）、ドル高メキシコペソ安が進展した。
メキシコペソなどの新興国通貨は、インプライドボラティリティが上昇すると、通貨安になる傾向がある。
その後、USD/MXNのインプライドボラティリティが低下、投資家の不安心理が和らぎ、ドル安メキシコペソ高に転じているものの、選挙前と比べ大幅なメキシコペソ安水準である。
新政権に対する不透明感が漂うものの、急上昇したインプライドボラティリティは、その後緩やかに低下していく傾向がある。ボラティリティの低下に伴い、メキシコペソ高が進展する可能性があり注目である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格（1バレル）は、レジスタンスとなっていたフィボナッチリトレースメント
61.8％水準81.84ドルを上方ブレイクし、上昇圧力が強まった可能性がある。RSIは、50以上70以下であり、原油価格の上昇余地がある。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、原油・ガソリン在庫の減少に伴い需給が引き締まる可能性がある中、原油価格の上昇を見込む。原油価格は、84.00ドルのレジスタンスのブレイクに成功すると、85.00ドルへの上昇が視野に入る。
一方、原油価格が下落した場合、9日移動平均線（現在81.94ドル）でサポートされるかに注目。サポートされた場合、原油価格の地合いが強いことを投資家に印象付け、上昇トレンド継続を見込む。
【原油価格のターゲット】
上値①：84.00ドル
上値②：85.00ドル
下値：9日移動平均線（現在81.94ドル）
WTI原油価格日足チャート
資料：TradingView
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MXN/JPYの見通し
MXN/JPYは、5月後半からのペソ安円高の半値戻しの水準である8.886円を再びトライしている。上方ブレイクに成功すると、メキシコペソ高円安圧力が一段と強まる可能性がある。RSIは50を上回り、メキシコペソ高のモメンタムに転じた可能性がある。また、MACDラインがシグナルラインを上回っており、メキシコペソ高圧力が強まっていることを示唆している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、ボラティリティの低下に伴い、メキシコペソに対する投資家センチメントが改善する余地がある中、MXN/JPYの上昇（メキシコペソ高円安）を見込む。
MXN/JPYは、50日移動平均線（現在8.986円）への上昇が視野に入る。一方、MXN/JPYが下落した場合、9日移動平均線（現在8.818円）でサポートされるかに注目。サポートされた場合、メキシコペソの地合いが強まりつつあることを投資家に印象付けよう。
【MXN/JPYのターゲット】
上値：50日移動平均線（現在8.986円）
下値：9日移動平均線（現在8.818円）
MXN/JPY日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
