エヌビディア（NVIDIA）の堅調地合いが続いているものの、米国株をけん引してきたハイテク株に変調の兆しが。スーパーマイクロコンピュータ（SMCI）をはじめとするネクストAI銘柄からは、AIに対する期待感は依然として高いことを示唆しているが、ハイテク銘柄中心のナスダック100指数の今後の見通しとは。
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【ナスダック100のターゲット】
上値：18,333レベル
下値①：17,537レベル
下値②：17,291レベル
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ハイテク株に陰り
米国株をけん引してきたハイテク株に変調の兆しがみられる。米国株の代表であるマグニフィセントセブン内でも、エヌビディア（NVDA）は堅調に推移しているが、その他の銘柄は上昇に一服感がみられる。
特に、中国事業での苦戦が明確になっているテスラやアップルの下落が目立つ。
資料：Trading EconomicsよりDailyFXが作成。
セクター別でも、年初来ではエヌビディアの上昇などを背景に情報技術セクターの上昇率がトップであるものの、3月に入り、情報技術セクターのパフォーマンスは、全セクターの中で真ん中である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。2024年3月6日時点。
もっとも、エヌビディアを含めたマグニフィセントセブンを構成している企業の株価は、近年大幅上昇してきたこともあり、短期的な調整の側面が強いと思われる。次のAI（人工知能）銘柄と言われることもあるスーパーマイクロコンピュータ（SMCI）やAMDは、エヌビディア同様上昇基調を維持している。このことは、AIブームが継続していることを示唆している。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。2023年末を100として指数化。
AIブームは継続しているものの、情報技術セクター全体のパフォーマンスに陰りが見られることや、マグニフィセントセブンの銘柄の中でも明暗が分かれていることは、短期的には年初来の大幅上昇の反動を警戒すべきであることを示唆している。特に、情報技術セクターに属するハイテク株が多いナスダック100は、テクニカル面でも調整の可能性を示唆している。詳しく見てみたい。
ナスダック100指数の見通し
ナスダック100指数は、RSIおよびMACDにて上昇の勢いが衰えていることを示唆する「弱気の乖離（ダイバージェンス）」が示現している。
テクニカル面で警戒シグナルが点灯し、エヌビディア以外のマグニフィセントセブン銘柄に陰りが見られる中、ナスダック100の下落を見込む。
ナスダック100は、1月5日から3月1日ににかけてのナスダック100の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント38.2%水準17,537レベルへの下落が視野に入る。この水準でサポートされた場合、ナスダック100を構成するハイテク銘柄への期待感が根強いことを印象付け、調整は短期的なものに留まることを見込む。一方、この水準でサポートされなかった場合、1月5日から3月1日にかけての上昇の半値戻しの水準17,291レベルが次の下値としてあげられる。
8日に米国雇用統計が公表される。年初来の力強い米国経済、インフレ高止まりを受け、FRBの利下げ観測が、年内4回弱まで後退している。金融市場では、力強い指標に対する備えは一定程度できていると思われる。そのため、市場予想以上に雇用統計が労働市場の軟化を示した場合、FRBの利下げ織り込みが再度進展する可能性がある。
FRBの利下げ織り込みが進展、米国金利が低下した場合、逆の動きをする傾向があるナスダック100は上昇しよう。ナスダック100は、史上最高値18,333レベルへの上昇が視野に入る。
【ナスダック100のターゲット】
上値：18,333レベル
下値①：17,537レベル
下値②：17,291レベル
ナスダック100指数日足チャート
資料：Trading View
▶ハイテク株の動向を踏まえた、最新の米国市場の動向をこちらの記事でチェック：
- 大暴落の前兆？ハイテク株からの転換？ S&P500の今後の見通し（2024年3月11日配信）
- エヌビディア急落に動揺？ 米ハイテク株は強気トレンド維持、今週のマーケット見通し（2024年3月11日配信）
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
