NY金にとって重要な米国雇用統計が発表。雇用市場の鈍化が見込まれている。世界最大のゴールドETFからは、欧米投資家の様子見姿勢が続いていることを示唆しているが、金価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値①：2,360ドル
上値②：2,380ドル
下値：50日移動平均線（現在2,339ドル）
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米国雇用統計
米国雇用統計の結果が、7月5日21時30分に公表される。非農業部門の雇用者数は19.0万人増、平均時給（前月比）も0.3％増に鈍化することが見込まれている。事前予想通りの結果となった場合、雇用市場の減速を印象付けよう。
雇用統計の予想値と前回値
金融市場では、FRBによる年内1.7回の利下げが予想されている。9月もしくは11月のFOMC（米国連邦公開市場委員会）にて、利下げを開始するとの見方が優勢である。
雇用市場の鈍化が示された場合、FRB（米国連邦準備制度理事会）の利下げ織り込みが進展、金価格の上昇圧力となる可能性があり注目である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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世界最大ゴールドETF
欧米の投資家の金に対する見通しを知る上で、ETF（上場投資信託）の動向が有用である。欧米投資家は、金への投資手段としてETFを活用しており、金価格に強気になると、ETFへの投資が増えることがある。
世界最大のゴールドETF（SPDRゴールドシェア）の口数を確認すると、足元小幅に増加しているものの、大きな変動はない。このことは、欧米の投資家は、金価格に対する見通しを大きく変えていないことを示している。
金ETFの動向は、金価格にとって中立である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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NY金価格の見通し
NY金価格（ドル建）は、RSIが50を上回っており、モメンタムが強気である。MACDラインはシグナルラインを上回っており、金に上昇圧力があることを示唆している。
ETFの動向は中立であるものの、テクニカル面で強気シグナルが点灯する中、金価格の上昇を見込む。雇用統計を受け、レジスタンスである2,360ドルの上方ブレイクに成功すると、2,380ドルへの上昇が視野に入る。この水準をブレイクすると、2,400ドル台、史上最高値に向けて上昇圧力が高まる展開を想定。
一方、雇用統計が堅調さを示すなど、FRBの利下げ観測が後退した場合、金価格が下落する可能性がある。金価格が下落した場合、50日移動平均線（現在2,339ドル）でサポートされるかに注目。サポートされた場合、金価格の地合いが強まりつつあることを投資家に印象付けよう。
【金価格のターゲット】
上値①：2,360ドル
上値②：2,380ドル
下値：50日移動平均線（現在2,339ドル）
NY金スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
