2024年、ポーランド中銀が、主要中銀に先駆けて金融政策決定会合を開催する。ズロチ円は、政権交代以降、堅調地合いが続いていたものの、12月以降調整が続いている。金融政策決定会合を控えたポーランドズロチの対円での今後の見通しとは。
上級FXトレーダーはどのようにニュースを活用しているのでしょうか?以下のバナーから入手してください!(無料)
![](https://a.c-dn.net/b/0YPMDo/logo-stripe.png)
![FXニューストレーディング上級者ガイド](https://a.c-dn.net/b/2hbygv/500x707Advanced-TradingForexNewsStrategy.png)
![FXニューストレーディング上級者ガイド](https://a.c-dn.net/b/2hbygv/500x707Advanced-TradingForexNewsStrategy.png)
先陣を切るポーランド中銀
主要国に先駆け、2024年1月9日にポーランド中央銀行が金融政策決定会合を開催する。金融市場では、政策金利を据え置くとの予想だが、今後の政策金利見通しに対してどのような示唆を与えるか、に注目である。
ポーランド中銀は、前政権時代に23年9月から、2会合連続で利下げを実施した。インフレ目標と比べ、インフレ率の水準は高かったものの、前政権が景気刺激に重きを置いていたことなどを受け、中央銀行も景気をサポートするために利下げを実施した。
その後、総選挙にて、政権交代がなされた結果、11月以降、ポーランド中銀は利下げを停止し、政策金利を据え置いている。
![A graph of a rising graph Description automatically generated with medium confidence](https://a.c-dn.net/b/2Lat4u/image1.png)
資料:Trading EconomicsよりDailyFXが作成。
2023年のポーランドズロチの動向
ポーランドズロチは、ユーロや円に対して、2023年を通して上昇した。特に、10月に総選挙が実施され、野党連合が政権を奪取して以降、一段と上昇した。
前政権を担ってきたPiSは、司法への介入、移民の排斥など強権的な政治を行い、欧州連合(EU)との対立を深めてきた。一方、トゥスク新首相は、かつてEU大統領を務めるなど、親EU派であることで知られている。
そのため、長年悪化してきたEUとの関係が改善し、停止しているEUからの多額の補助金を受けられるとの見方がポーランドズロチ高要因となった。
また、政権が交代した結果、ポーランド中銀が過度に利下げを実施するとの思惑が後退したことも、ポーランドズロチの上昇圧力となった。
EUR/PLNおよびPLN/JPY日足チャート(2023年の動き)
![A graph showing the price of the stock market Description automatically generated](https://a.c-dn.net/b/3DIHMp/image2.png)
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
資料:Trading View
ポーランドズロチ円(PLNJPY)の見通し
ズロチ円は、2023年11月以降調整していたものの、下落トレンドからの反転を示唆する「陽の包み足」パターンが示現している。また、MACDラインがシグナルラインを上抜け、ポーランドズロチに強気の「ゴールデンクロス」が示現している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯する中、ポーランド中銀が近い将来の利下げを示唆しない限り、ズロチ円の上昇を見込む。その場合、ズロチ円は、11月28日から12月7日までのズロチ円の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準36.733円への上昇を見込む。強固なレジスタンスであるである36.733円を終値ベースで上方ブレイクすることに成功した場合、ズロチ円の上昇トレンドが一段と鮮明になる可能性がある。
一方、ポーランド中銀が近い将来の利下げを示唆した場合、ズロチ円が心理的節目である36.00円でサポートされるかに注目。サポートされた場合、ズロチ円の地合いが強まっていることを投資家に印象付けよう。
PLNJPY日足チャート
![A graph of a stock market Description automatically generated](https://a.c-dn.net/b/3vq6O5/image3.png)
資料:Trading View。
新たなレポートの配信等はX(旧twitter)アカウント@DailyFXJapanで確認できます。
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著