※2023年10月20日14時28分更新
米ドル、米ドル指数、ユーロ、英ポンド、豪ドル - 見通し
- 米ドルが天井に達したというには時期尚早
- ユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルは底値を探っているように見え、豪ドル/米ドルは軟化している
- ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルの見通しと注目すべき主要な水準とは?
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パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は19日、ニューヨーク・エコノミック・クラブで講演したが、米金利がピークに達したと示唆するには至らず、利回りの上昇と中東情勢の緊迫化が進むなか、米ドル買いの勢いは衰えていない。
パウエル議長は金融引き締めの効果は認めたものの、米経済の力強さと労働市場のひっ迫を考慮し、さらなる引き締めの可能性は否定しなかった。しかし、「限界まで」利回りが上昇することにより追加利上げの必要性が低下する可能性があると指摘する一部のFRB当局者の見解に同調した。パウエル議長はハト派的なトーンが強いように見受けられたが、FRBは追加引き締めの余地をまだ残している。市場は、FRBが10月31日―11月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で金利を据え置く可能性が高いと見ている。
米ドルはここ数カ月上昇を続けているが、米国の経済が他国に比べて好調であることと、FRBが他国に比べてタカ派的であることが支えになっている。市場が米金利は下降するという見方に傾いたとしても、米経済が停滞しない限り、金利据え置きにとどまったとしても、米ドルは買われ続ける可能性がある。
米ドル指数 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
週足チャートで米ドル指数は、3月の高値105.90からさほど離れていない、一目均衡表の雲上限という大きなレジスタンスを試している。米ドルの上昇は今のところ一服しているかもしれないが、これが天井と言うには時期尚早だ。当面の上昇圧力が弱まるには、最低でも先週の安値105.50という初期のサポートを割り込む必要がある。
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ユーロ/米ドル 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
ユーロ/米ドル:これで終わり?
ユーロ/米ドルの下落は、週足チャート上の一目均衡表の雲下端付近、3月の安値1.0500という重要なサポートで一服している。このサポートは強力で、特にここ数週間の大幅下落を考えると、少なくとも最初の試みでは簡単には破られないかもしれない。そのため、小幅な反発があっても不思議ではない。とはいえ、意味のある反発を起こすには、今月の高値1.0635を上抜ける必要がある。それまでは、横ばいから下降の値動きにとどまりそうだ(10月12日付英語レポート参照)。
英ポンド/米ドル 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
英ポンド/米ドル:底値を模索する展開
英ポンド/米ドルは、5月の安値1.2300という主要サポート付近で下落が一服し、底値を模索しているように見える。英ポンドは投機的なロングポジションが解消され、売られ過ぎのように見える。しかし、週足チャート上の一目均衡表の雲下端からさほど離れていない、1.1800前後に位置する2023年前半の安値という強力な収束サポートに行き着く(下落する)までに、価格が反転する材料は見当たらない(10月11日付英語レポート参照)。
豪ドル/米ドル 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
豪ドル/米ドル:徐々に下降傾向
オーストラリアドル/米ドルは、10月上旬の安値0.6285という小型サポート付近に位置する、8月から続く下降チャネルの下端というサポートをなかなか上抜けずにいるため、徐々に軟化しているように見える。安値圏での安値・高値の切り下げが続いているため、豪ドル/米ドルが8月末の高値0.6525というレジスタンスを上方ブレイクしない限り、下値リスクは消えないことが示唆されている。ファンダメンタルズを含む詳細な議論については、10月18日付レポート「豪ドル見通し:市場予想を上回った中国GDPを受けて」をご覧ください。
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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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