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欧州株高:上昇し続ける理由とは? 割安感、取り戻した投資家の買い意欲

欧州株高:上昇し続ける理由とは? 割安感、取り戻した投資家の買い意欲

クリス・ボーシャン, IGチーフ・マーケット・アナリスト
原著者
居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

※2024年3月29日11時14分更新

2024年は米国株だけが上昇しているわけではない。欧州株も好調で、その勢いはまだ続きそうだ。欧州株高の背景とは?

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欧州市場の2024年は堅調なスタート

2024年の欧州株式相場は予想に反し、史上最高値を更新し続け、米国株式市場が主導していた前年までとは大きく様変わりした。

この持続的な上昇は、長年見過ごされてきた欧州株が投資家の注目を取り戻したことを浮き彫りにしている。

欧州を代表する株価指数であるストックス欧州600種指数は年初来で12%超上昇し、S&P500種株価指数の8%上昇を上回っている。ドイツ株式主要40銘柄指数(DAX)は15%近く急騰し、フランスCAC40種指数も11%上昇している。2008年の金融危機以来、米国株が好調な中、置き去りにされてきた欧州株のこの圧巻なパフォーマンスは、これまでとは決定的に違う変化が起きていることを物語っている。

欧米株価指数の比較

資料:グーグルファイナンス

割安感が投資家の関心を保っている

このような上昇にもかかわらず、欧州株のバリュエーションは依然として米国株のそれよりも魅力的なようだ。S&P500種指数の株価収益率(PER)が25倍、ナスダック100種指数が30倍なのに対し、ユーロ圏の優良銘柄で構成されるユーロストックス50種指数はわずか16倍、独DAXは19倍である。

比較的割安なバリュエーションは、欧州市場への投資家の資金流入が旺盛であることの裏付けでもある。データによると、欧州株式に特化したインデックス・トラッキング・ファンドの2023年10-12月期(第四半期)における資金流入額は457億ユーロで、前年同期比45%増という驚異的な伸びを記録した。欧州への投資資金がいかに増えたかを示している。

バンク・オブ・アメリカが実施したファンドマネジャー調査によると、プロの投資家は2月にユーロ圏の株式を買い越した。しかし、この勢いとは裏腹に、欧州株への資産配分は依然として過去の平均に比べて低いため、今後さらに多くの資金が欧州に流入する可能性を残している。

欧州株への新たな投資意欲を駆り立てているものとは?

ストラテジストは、さらなる欧州株高予想を支えるいくつかの重要な要因を指摘している。

まず、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度理事会(FRB)が、昨年の積極的な利上げサイクルに終止符を打ち、インフレが緩やかに低下する中、2024年後半に利下げを開始すると見られている点だ。金融政策の緩和は通常、株式市場に追い風となる。

第二に、欧州経済は成長鈍化と予想されるものの、最近の経済指標は減速から回復し始めていることを示している。景気後退の最悪期は脱したかもしれないとの兆しが楽観論を後押ししている。

決定的なのは、欧州企業の収益が転換点に近づいていることだ。コスト高と需要低迷により欧州企業は長期間、業績が低迷していたが、アナリストによると、2024年上半期に底を打ち、その後景気回復に伴い企業業績は上向くという。

モルガン・スタンレーのリサーチチームによると、業績の好転から最も恩恵を受けそうなセクターはソフトウェア、航空宇宙・防衛、半導体、金融サービス、医薬品、通信などである。

1990年代半ばに「ソフトランディング」のサイクルが発生した際も、アナリストらはこのような同様の強気な見通しを示していた。1990年代半ばの時は、経済指標は強弱まちまちだったが、それが逆説的に捉えられ、相場を上昇させた。弱い数値は経済成長を刺激する利下げへの期待を高め、強い数値は回復が定着しつつあることを示すと市場は解釈した。

短期的なリスクは残る

もちろん、欧州株式市場の道筋が弱気に転換するリスクは残っている。地政学的な緊張は、1990年代の比較的安定した時に比べ、より高まっている。持続的なサプライチェーンの混乱も、1990年代には相場の足を引っ張るには至らなかったが、現在は逆風となる可能性がある。

しかし現時点では、比較的魅力的なバリュエーション、好調な業績見通し、経済指標の改善、金融緩和の見通しが、待望の欧州株式への資産配分を推進する強力な原動力となっているようだ。この勢いが続けば、10年以上にわたって低迷してきた欧州株式市場の次なる強気相場の幕開けとなるかもしれない。

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